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「頼むから入ってーー、っ、あ…すいません」
「ぁあ?」
吉柳がぶつかったのはジャラジャラとアクセサリーをぶらつけているチンピラだった。
…向こうからぶつかってきた、と言った方が良いだろうか。
そういえば最近、吏さんが問題を起こすチンピラが増えて困ってるってぼやいてたっけか?
「いってぇー…、折れたかもしんねぇから慰謝料払えよ」
今回のチンピラは面倒な当たり屋。
ゲーセンでの事と言い、1年の内に2回絡まれるってある意味すげえと思うぞ。
…あ、この場合俺も絡まれてることに入るのか。一緒にいるんだし
「…あれー?お前どっかで見た事あるような…」
「っ、い゛…」
吉柳に絡んでるのと別の奴が俺の前髪を思いっきり引っ張ってきた。
じぃ、と俺の顔を見たあと「ああ!!」と大声を出しながら手を叩いた。
「"悪魔の女"!」
「あ?」
よく聞くその名前。
二つ名なんて何でも良いけど、涼と付き合ってる今、その名前で呼ばれるのは複雑な気持ちだ。
「俺たちさあちょーっとお前に恨みあんのよ。…だから付き合ってくんない?」
「はあ…、」
俺に恨みがあるってことは俺が喧嘩したやつらにこいつらがいたってことだ
面倒事は避けたいが、逃げるとなると吉柳を巻き込んでしまう。…もしかしたら吉柳の方に矛先を向けるかもしれない。
自分でまいた種だ。吉柳を巻き込むつもりはない。
…と、なると残された選択肢は1つだけ、か…。
「こいつは関係ねぇから移動しよう」
「ほおー?」
「狼城…?!何言っーー…」
「…良いだろ?お前らが用あんのは俺なんだから。…それに人目がつかねぇとこの方が"お互いのため"じゃねぇか?」
「…移動するぞ」
「ちょ、狼城…!!」
話が進んでいく中、俺を止めようとする吉柳。
危ない、ってか…?
まあ、だろうな。向こうは6人の団体で俺よりもガタイの良い奴もいる。
けど今は俺が昔売った恨みにお前を巻き込まねぇようにするのが俺がやらなきゃならない行動だろ?
「…さっさとここから離れろ」
吉柳にだけ聞こえる声で呟くと、俺はチンピラに左右を挟まれながら住宅街から少し離れた人気のない廃ビルに足を運んだ。
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