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「そうだ。お前、友達にちゃんと礼言っとけよ?…えーっと、あー…き、きー…吉柳君」
「吉柳…?」
友人になったつもりはないんだが、それよりも前に何で兄貴があいつの事知ってんだ?
「救急車呼んでくれたのその子みたいでな、少しだけ話したんだよ」
そして、医者が言った話では人通りの少ないあの場所に吉柳が居て、通報してくれなければ俺は失血死していたらしい。
…てことは俺あいつに逃げろって言ったのについてきてたのか…?
通報してくれたのには感謝しきれない。
だが、こういってはあれだが馬鹿なのか?下手すりゃあ俺と同じく入院することになってたかもしれねぇのに。
それどころか、下手したら死んでたかもしれない。
…それに、俺にそこまでする理由なんてないだろ?
俺たちは勧誘され、それを断るくらいしか接点はないのに俺が巻き込ませまいと遠ざけた危険に突っ込んで、救急車呼んで…なんてよ。
「…クク、そう言うことには疎いよな」
「あ?」
「勧誘目的なら1週間、長くて1ヶ月で止めるだろ。例え向こうがどんなに諦めが悪くても。…俺からのヒントはここまでだ。後は吉柳君とちゃんと話しな?」
「はあ…?」
兄貴の言っていることが全くもって理解出来ないのだが。
あいつの諦めの悪さは人間なのか疑いたくなるくらいの物だが、それがどうしたんだ。
兄貴の言ってることとそれが、全く結び付かない。
勧誘の裏に何があるってんだ?
「…ま、そこは後で話しな。もうすぐ放課後だし、椿先生にもお前が目覚めたって連絡いれたから多分来る。…ま、そう言わずとも吉柳君は今日"も"来るだろうがな」
「今日も…?」
「毎日毎日、お前が目を覚ます今日までの1週間見舞いに来てくれてたんだぞ?俺よりもいる時間長かったと思うぞ?」
「そう、なのか…」
ますます理解できない…。
そこまで親しいわけでもないのに何で俺なんかを見舞いに来るんだ。
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