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ーコンコン
3時半頃に、ノック音。
兄貴が「はい」と応えるとその音を鳴らした扉が開き、ドアの先にいた人物が姿を現した。
「…今日は早いな、今放課後になったばっかだと思うが?」
「嗚呼、今日はずっと家にいました。ルウちゃんがいない学校なんてつまらないし?」
…つまり、サボりか。
サボった理由は喜ぶべきなのか、そんな理由でサボったことを怒るべきなのか。
複雑な心境だ。
「刺されたとこどう?」
「今は痛み止が効いてて痛くねぇからあんま刺されたって実感がわかねぇな」
「…安静にしろよ?」
「わあってる」
誰が傷口を開くような真似をするか。
「前まで怪我そっちのけで動けなくなるまで喧嘩して、怪我を悪化させてた奴が良く言うよ。何回倒れたお前を俺が運んだことか」
「それ、は…」
…その節は大変ご迷惑をお掛けしました。
けど、別に俺だって怪我を悪化させようとか思ってやった訳じゃなくて…、気付いたら喧嘩をしてた。
「上手く言えねぇけど、あの時はそうしてねぇと落ち着かなかった…んだと思う」
そう思った理由は特にこれといってないのだけれど、自分でも不思議なくらいそれはしっくりと来た。
「…やっぱ"変わった"よなお前」
「良い意味でな」
愁の発言に兄貴が深く頷く。
…?そうだろうか。
俺は自分が変わったとあまり実感しないのだがな。まあ、行動面では変わった部分は何個かあるけど、愁と兄貴がいってんのはそれもあるけど内面的なもんの方だと思う。
俺は実感わかなくても周りは分かる変化…、気づかないうちに…ってやつか。
人間、自分の変化には鈍感だと良く言うしな。
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