アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、*
-
「説明しろよ」
兄が出ていき静かになった部屋で一番最初に喋ったのは愁であった。
「俺とあいつの関係か?」
「まあそこからだよな」
「中学時代からの友人で今も連絡を取り合ってる」
…中学時代ってことはかなり長い付き合いになるな。記憶が正しければあの人今28とかそんくらいだし。
…そんくらい長い付き合いならあの人も仕事中でも素で話す、ってことか。
「…次、桜木彗と昴流が会えば昴流が取り乱すのは目に見えてたはずだ。部屋にいたお前なら昴流が戻ってくる前に部屋から出ていかすことくらい出来たよな?…何でしなかった」
「…俺が仲介すれば大丈夫だと思ったから。…ま、そうはいかなかったけどな」
「仲介?向こうが昴流と会いたがってたって言いたいのかお前は」
「…そうだとしたら?」
会話の中心になってんのが俺なんだとしても2人の会話についていけれない、っていうか2人の会話が理解できない。
俺にあの人が会いたがってた?
俺を疎ましく思ってるあの人が"俺"に?
そんなのあるはずがない。
あの人がここに来たのは"医者"だからだろ?
「患者の部屋の前で入るのを躊躇う医者が居ると思うか?」
…あの人が躊躇ってた…?"患者"の部屋に入るのを?
「…それほど俺と話したくなかったって事だろ」
「…ま、ある意味そうかもな」
…ほら、だから俺に会いたがってなんて嘘だ。
「正確にはお前とどう接したら良いか分から無かったから。…話したくても話せばお前を傷つけてしまうと思ったから」
「は?」
「…知ってっか?あいつすげぇビビりなんだよ、だからお前と"医者"としてじゃないと話せない」
何を言っているのかさっぱりだ。
あの人がビビり?俺と話したくても話せない?
…そんな事あるはずがない、だってあの人は…
「俺の事が嫌いで…」
「それ、あいつがお前に直接言ったのか?」
「それは…」
言われたことはない、言われたことはないけど態度で分かる。あの人が俺の事どう思ってるかなんて。
「…昴流、俺も言うつもりは無かったけどよ、やっぱお前は知った方がいいよ。あいつが本当はお前をどう思ってんのか」
ーあいつがお前をどれだけ愛しているかをー
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
156 / 1113