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ANOTHER STORY:In The Case of DEVIL
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病院を後にし、駐車場に停めていたバイクでバイト先へ向かう。
こっから深夜まで働き詰めだ。
だってそうしないと生活していけない。独り暮らしで仕送り無しの生活ってのは高校生にはかなりきつい。
高校生を深夜まで雇ってくれる所なんて法的なこともあり本当は無かったんだけど、俺が無理を言ってやらせてもらってる。
…とは言っても、俺の事情を知ってその無理を受け入れてくれた所は1つだけなのだが。
「遅ぇ」
バイト先に着くなり、頭に鉄槌。
ゴリラ並のそれを食らわしてきたそいつは俺と同じくここで働いている大学生。
…いや、おせぇって言うけどよ
「遅刻はしてませんけどー」
「10分前には着く。これ常識な」
こいつ、うざいくらいに時間に五月蝿い。ジジイかよ。
「おい悪魔、さっさと着替えろ」
「あいたっ…、ゼロちゃん痛い、暴力へんたーい」
「あ?」
また頭に鉄槌を食らう。マジで痛すぎ、頭凹んだかと思った。
俺がゼロと呼ぶこの人の本名は桂木零。
零だからゼロ。
俺が悪魔って呼ばれてんのを知ってても、怯えることなく普通に殴ってくる数少ない人。
ここの店長も俺が悪魔って呼ばれてんのを知ってて雇ってくれたんだから、店長もこの人もかなりの変わり者だと思う。
普通は接客命の仕事なんだから不良なんて雇ったりしないじゃん?
なんだけど店長曰く「仕事を真面目にしてくれりゃあ何だっていい。それにお前がいればそういうやつらも寄ってこないだろ」…ってのが俺を雇ってくれた理由らしい。
いや、他にも理由はあるけど大雑把に言えばこんな感じだ
…本当、変わってると思う。
「おいくそ悪魔、てめぇ着替えに何分かけりゃあ気が済むんだ」
「1時間?」
「亀かてめぇは」
着替えるついでに荷物を整理しているとゼロ様の登場。
これ以上なんかいったら今度こそ頭割れそうだから言わないでおく。
…けどまあなんだかんだ言って何個か掛け持ちしてるけどバイト先の中ではここが一番楽しい。
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