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「ほら早く」
まるで自分の家のように冷蔵庫から酒を出して封を開けるそいつ。
てめぇのために買った酒じゃねぇっての…。
女はドカッと椅子に腰かけてその封を開けた酒を飲みながら先と同様金の催促をしてきた。
「お前にやる金はねぇ、それ飲んだらさっさと帰れビッチ」
殺してやりたい衝動を堪え、荷物を自室に持っていきバイト先でもらった売れ残り品を冷蔵庫に入れていく。
「はっ、これ1本のために来たんじゃないのよ、なめてんの?アンタ」
「俺もデリヘル呼んだ記憶はねぇけどな」
「はあ?!あんたに呼ばれたって来やしないわよ」
「俺だっててめぇなんか願い下げだ」
お前を呼ぶくらいならそこらへんの男とやった方がまだ良いわ。
「何?アンタこんなの吸ってんの?本当いちいち勘に障る奴ね」
「俺が吸うやつにケチつけてんじゃねぇよ」
机に置いてあった煙草の箱を手にとって軽く舌打ちをするとそれを元あった場所に戻すことはせず放り投げた。
一々勘に障る奴ってのはこっちの台詞だっつーの。
煙草の銘柄なんて俺の自由だろーが。
「ほんと、相変わらず憎たらしい顔ね。見てて不快だわ」
「見たくねぇなら来なきゃ良いだろ」
「は?嫌々来てあげてるんじゃない。金をくれたら許してあげても良いって。私がアンタのせいでどれだけ人生狂わされたと思ってんの?それを金で済ましてあげようとしている辺りかなりアンタに優しくしてやってると思うけど?」
…嗚呼、苛々する。
誰も許してくれなんて言ってないし、被害妄想も大概にしろよ。
つーか、金払ったところでまた来んだろお前。それに誰もお前に優しくしてほしいとも言ってねぇし。
俺が手を出さねぇのを良いことに調子乗ってんじゃねぇよ。
人生狂わされたとか俺が言いたいわ。
本当、この女殺してやりたい。
「はっ、精々狂わされとけよ。てめぇが不幸になろうがなるまいが知ったことか」
「…誰に向かって口聞いてんのよ?」
「糞ビッチなメンヘラ女にだけど?」
「っ、こ、の…ッ!!!」
「…本当の事だろ?いつまでも未練がましいんだよ」
「っあんたに!何がわかんのよ!」
ーダンッ…バシンッッ
両手を机に叩きつけ、椅子から立ち上がると俺の胸ぐらを掴んでは思いっきり頬を叩いた。
そうして女の暴行はどんどんエスカレートしていき腹は殴られるわ、頭を捕まれ壁に打ち付けられるわで身体中が痛い。
誰か煽らなければ良いんじゃないかと思ったかもしれないが、煽らくとも結局はこれにたどり着く。
だから早くこの時間を終わらせるために、俺は目の前のイカれた女を煽っていく。
煽りに煽ったら、こいつが吹っ切れて出ていくまでこいつの"人形"になっていれば良い。
これが俺に許された唯一の"自己防衛手段"なのだ。
「"悪魔"にとりつかれたせいで人生滅茶苦茶よ!!」
「アンタのせいで!アンタのせいで!!!」
「アンタなんかしんでしまえば良い…ッ!!!」
女が手を振りかざす。
これで34回目か、後何回くらい殴られ蹴られれば良いんだろうか、なんて思いながら俺は次に来る痛みを待った。
…の、だけれど。
「これ以上は警察呼びますよ」
その痛みは、乱入してきた第3者の手によって俺に襲いかかってくることは無かった。
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