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自室で酒を飲みながら外をボーッと眺めていると玄関の扉が開く音が聞こえ、体が固まった。
「ぇ…は…??」
…まさか、戻ってきた?
第2ラウンド突入とかマジで洒落にならない。これ以上のことを耐えることは俺には出来ない。あれでいつも一杯一杯なんだからこれ以上はーー…。
「逃げ、ないと…」
そうは言っても逃げる場所なんてない。
アパートとは言え飛び降りれる高さではないし、玄関から逃げるのはどう考えても無理だ。
…なら、俺が"俺でなくなる前"に…。
「"出ていかせないと"」
"俺"のためにあの女を。
段々と近付いてくる足音。
それと共にその思いが強くなっていった。
俺の部屋のドアがガチャ、と音をならす。
それが開いた瞬間、俺は扉の影から現れたそいつの首を思いっきり絞めた。
出ていかせなければとという思いしか頭になくて、俺の目にはあの女しか映っておらず他の物が全部真っ黒に染まっていた。
ーバチコッ
「っ?!」
額に激痛。
だけどその痛みは女のものだとは考えられないくらいに"優しかった"。
…そう言えば、こいつからはあのキツかった吐き気のする化粧と香水の混ざった臭いもしない。どちらかと言えば柔軟剤の良い匂いだ。
…こいつはあの女じゃない?
…じゃあ、目の前にいるのはダレ?
ーバチコッ
「いたっ」
また、激痛。
これも同じで痛いけど"痛くなかった"。
「離せ、糞悪魔。殴んぞ」
そいつの声は女のものとは言い難いとても低いもので、それを聞いて一気に視界がクリアになる。
そして、目の前にいるのが誰か分かった瞬間、サアッと血の気が引いていくのが自分でもわかった。
…これ、何度目だろ。
何度も昴流に同じ事して、後悔して、今度はやらないって心に決めて、またやって。
本当、俺は学習しない。
「れ、い…ごめ…痛かった…?」
「かなり」
「ぁ、ああ……。ごめ…ごめんな?」
その後、俺は零がうざいから止めろと殴るまでずっと零の首を擦って謝罪をした。
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