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「…えっと、これは、」
「言っとくが俺のじゃねぇからな」
真さんがもっと俺と話したいと言うので、場所を変え涼の家に来たわけだが…。
リビングは俺が知っている涼の家のものではなく、良く分からない…アイドルが着そうな衣装がいくつかソファや椅子にかけられ、発泡スチロールでできた人の頭に被せられた鬘が床や机の上に置かれていた。
鬘に関しては生首があるのかと思って一瞬びびったのはここだけの話だ。
…こういうのを見たときどういう反応をするのが正解なんだろう。
「俺のじゃないって言ってるけど着るのは涼よね」
「…えっと…涼が着る、のか…?」
普段の涼からは想像できない派手な服。
…こういうのが本当は好きだったのか…?
「…いや、まあ好きなもんは人それぞれだし…」
「何かお前のせいで勘違いされてんだけどどうしてくれんの」
「あら、ごめんなさい?」
…この言い方からして違う…?
いや、でもじゃあなんで着んの…?好きじゃないなら着ない、よな…?
「…年に2回そういうイベントがあって…地方にいけば何回もあるんだけどな…、で、俺はこいつの手伝いしてんだよ、売り子ってやつだ。これを着て"嫌々"な」
嫌々を強調する涼。
イベント…売り子…今一ピンと来ないが取り合えず真さんの手伝いってことだけは分かった。
「…コスプレだつまりは」
「へ…?コスプレ…?」
コスプレ。聞いたことくらいはある。実際のものは見たこと無いけれど。
…え、涼がするの…?コスプレして手伝いってどういうイベントなの…?
「……え、待ってこの子ここまで言っても分からないの?…このご時世にそんな子が居るの??お爺ちゃんじゃないのよ…?え、なにそれ真っ白すぎじゃない…?…え、ちょ昴流君、コミケって聞いたこと無い……?」
「こみけ…?」
聞いたことはある。ニュースでしてたから。すごい行列だったのを覚えてる。
…確か正式名称はコミックマーケット。アニメ好きが集まるイベント…くらいには知ってる。
…あ、見えてきた。涼が言ってたイベントってのはそのコミケってやつで、真さんがそこで何かマーケットに出すから涼はその手伝いをする…ってことか。
「…コミケってどんな感じなの」
「あら、興味あるの?」
「…ニュースで見たことあるから」
あれだけ人が集まるイベントってどんなイベントなのか想像できないからちょっと気になる。
「じゃあ私たちと一緒に来る?なんなら涼と一緒に売り子でもする?」
「止めろ、お前の出すやつは昴流には見せれない」
「貴方もうそれ昴流君の父親の次元までいってるわよ」
「悪いか、うちの昴流は真っ直ぐで良い子なんだよ。お前みたいになったら困るんだよ」
「それ貴方にも言えることじゃない、サディスト」
「俺は昴流のために抑えて少しずつ教えてるから良いんだよ。お前の場合オープンだろーが。表紙の段階でアウトなんだよ」
「アウトじゃないものもあるわよ!!」
……やっぱり2人の会話は理解できない。
断るタイミングも、頷くタイミングも完全に逃してしまった気がする。
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