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「はい、梓さん。いつもので良かったですよね」
出来たてのオムライスを梓さんの前に置く。梓さんが頼むものはいつもこれで、最近では言われなくてもそれを作るけど念のために確認。
他のも頼めば良いのにとは思うけれど、こんなにも俺が作ったものを好きでいてくれるのは嬉しくもある。
「きゃー、今日も美味しそう!!すぐるんが作るよりも美味しそう!昴流君が居ないと絶対ここ運営厳しいわよ」
「良いんだよ、俺酒担当だから」
「まあ、確かにすぐるんが作る奴ここら辺では一番美味しいものね」
「だろ?」
「…そんなに違うんですか?」
バーとか居酒屋とか…まあそういう店が多い通りにこの店はある。それらの数多くの店のなかで一番と言われるほどというのはどのくらいのものなのだろう。
「全然違うわよ、表現しにくいけどとにかく違うのよ。…昴流君も飲んでみたら?」
「おい未成年に酒をすすめない」
「良いじゃない、私達の世代って普通に飲んでたでしょ」
「確かにそうだけどな…」
「ほら見なさい。…どう?飲んでみない?」
「…そう、ですね」
優さんの作る酒がどんな味なのか凄く気になるから飲んでみたい。
…飲んでみたいのだけれど
「俺酒弱いんですよね。愁…友人に弱すぎだから飲まない方がいいってストップかけられました」
そう、あれは中2の頃。愁に勧められてビールを口にしたことがあった。俺は飲んだ直後からの記憶が俺はいっさいなくて、愁から見事に酒にもの凄く弱いと言う太鼓判を押され、それ以来飲んでいない。
俺が酒に弱いのが意外だったのか驚く梓さん。…そして優さん。そんなに意外だろうか。
「だって昴流くんお酒強そうじゃない…?飲み比べしたら絶対勝ちそうじゃない?」
「俺はリュウが強いからてっきり強いのかと思ってた」
「…生憎俺は兄貴とは違ってALDH不活性型なんですよ」
まあ、つまり酒が全く飲めないタイプの人間だ。逆に兄貴は活性型で凄く強かったりする。
「…驚きだわ……、いや、でもなんか逆に飲ませたくなっちゃうわね…」
「アホ、弱いやつに飲ませんな」
「けど気になるじゃない。昴流くんが酔ってる姿」
「気にならねえよ、だから酒を昴流に飲ませようとすんな」
「…っわ…」
梓さんの手には酒が入ったグラス。俺に酒を飲ませようとしている梓さんから俺を守るように自分の方へ引き寄せ、梓さんを睨む優さんに、梓さんが「冗談よ」と笑って返した。
「けどいつか酔わせてみたいわね」
「出禁にするぞ」
「マジトーンで言わないで。分かった、しないから…、出禁だけはやめて」
「最初っからそういっとけ」
…なんつーか、優さんと梓さんって仲良さげ…っていうか息があってるよなあ。
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