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ーえっと、状況を整理しようー
涼が手洗いに行ってくると言ったのが数分前。
…んで、人通りの少ないところで涼が戻ってくるのを待っていると俺を囲むようにして立っているちょっとチャラついた男数名に絡まれ…話しかけられたのも数分前のこと。
「ねえ、君1人?」
…これは、どう返せば良いんだろう。
1人って言えば良いんだろうか…涼と来ているって言えば良いんだろうか…。
…涼狙いだけど涼に話しかけれないから俺に話しかけてるのかもしれないし…いやでもコイツら男…。…俺喧嘩売られてんのかな…、でも喧嘩を売ってきてるような目じゃないし…どうしよう、涼早く戻ってきて。
「ねえ、聞いてる?」
「…ちょっと、」
なんか、知らないけど壁ドンってやつされた。俺よりもそいつらの方が背が高かったから見上げる形になる。…どうせなら涼にされたかったって思ってしまった俺って、マジで乙女思考になっちまったんじゃねえの。
「お兄さんたちと遊ばない?」
「…遊ばねえ」
「つれないこと言わないでさあ…楽しませてあげるから」
「楽しむの意味がちょーっと違うけどな」
「あ?どういうー……っ…、?」
「あら、感度良好?」
お腹の辺りを撫でられて、吃驚して体が跳ねる。それにニヨニヨとするそいつら。…何なんだよ、マジで。
「お兄さんこっちの経験あんの?」
「ぁあ?喧嘩売られてんのか?」
「あらら…見た目の割には結構ピュア?それとも鈍いだけ?」
「あ?」
ピュア…?鈍い…?喧嘩売られてるんじゃねえのか。けどそれ以外俺に絡んでくる理由なんて無ぇし…。
「こっちって言ったらこれしかないでしょ」
「…ひゃ…っ?!」
「はは、やっぱ感度いーね?」
…何て考えていると耳を舐められた。気持ち悪い。何なの、何がしたいのこの人たち。
ー襲われないか心配でー
ふと、涼に朝言われた事を思い出した。襲われるってこう言うこと…?え、俺襲われてんの…?
「あ、やっと気づいた?…俺達さあ、ずっと君のこと気になってたんだよねえ」
「っはあ…?」
「けど隣のナイト君が睨んでくるから手出せれなかったんだよね。…けど今は居ないし、人気は少ないところだし?これは逃さないわけにはいかないでしょ」
…ナイト?涼のことか。…待って、こいつらの言い方からして結構前から俺に目をつけてたってこと?…ストーカーか?
「……んなこと俺にじゃなくて女にしろ」
「君結構可愛いよ?君なら抱けそう」
「…きめぇんだよ」
可愛いって言われんのは慣れてきたけど、こいつらに言われるのは何故だかムカついた。
「さっさと失せろ」
「あはは、口は可愛くないなあ…」
「男に可愛さ求めてんじゃねぇよ」
多分、ムカついてんのは俺をそういう目でみてるから。そういう目で見て良いのも、そういう意味で可愛いって言って良いのも涼だけだ。
俺は涼以外にそういう目で見られたいって願望はねえ。
「ヨくしてあげるからさ」
「…っ、やめ、」
「何お前ら人の口説いてんの?」
頬を撫でられ、ゾワゾワっと悪寒が走る。俺もそろそろ我慢の限界で、殴り返そうとしたその時、手洗いから戻ってきた涼が壁ドン男の肩を叩いた。笑顔で。…嗚呼、これキレてるやつ。
「あーらら…ナイト君戻ってきちゃった?残念」
「…ッふ…、」
「…ッチ」
涼の前で…涼に見せつけるようにして首を噛まれた。それにより涼が纏っていたオーラがさらに邪悪なものになっていく。
「…良い度胸してんじゃん。そこは褒めてあげるよ。…けど」
「ああ?…っひ、?!」
「喧嘩を売る相手を考えてからしろ、猿」
俺からそいつらの胸ぐらを掴んで引き剥がすとにっこりと微笑んだ。それはもう後ろに般若が見える笑顔で。
それに血相を変えたそいつらは涼に怯えながらその場を立ち去っていった。
…うーん、涼の笑顔って強い。
「昴流何であんなことになってたの?」
俺の方に視線を向けるとその笑顔のまま、事の経緯を聞かれた。…まあ、そうですよね。自然な流れですよね。
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