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「ルウちゃん、椿と喧嘩でもしたの?」
「なんで俺が涼と喧嘩しないといけねえの?」
「…そう来るよねえ」
昼休み、何時ものように理科室ー最近はさすがに外で食べるには寒いから室内で食べるようになったーで食べて教室に戻る途中に、愁に変なことを聞かれた。
…そう言えば涼も似たようなことばっか聞いてるんだよね、どうしたんだろ。俺怒ってるように見えるのかな。
「…いや、俺は椿が最近覇気がねえなあ、と思って。今日も俺に喧嘩売ってこなかったし?」
…嗚呼、そう言われると、最近3人で食べても言い争いになってなかったなお前ら。
「喧嘩してねえならお前椿になんかしたの?」
「した…?したのかな…逆に何もしてねえと思う…」
ケーキは簡単だったけどシュークリームが思ったよりも難しくて、ここ1か月時間を作っては練習し…って感じだったから。お陰でコツを掴めたから明日の涼の誕生日には間に合いそう。
「それだよ…」
「えっ」
「なにもしてねえからだよ。…嗚呼糞そんな理由かよ…気になって損した」
何もしてないから…なのか?
毎週泊まりの誘いを断るのはやりすぎだったのかな…、けどそうしないと間に合いそうになかったし…。
…嗚呼、そっか。だから涼俺に最近変なこと聞いてきたのか。俺が避けてるように見えたのかな。明日ちゃんと謝らないと…許してくれるかな。物でつる訳じゃ無いけど予定してた量よりも多めに作ってみよう。
「ふふ、ありがと愁」
「はあ?何が?」
「お前のお陰で気づけなかったことに気づけた」
「…あー、はいはいノロケ乙。礼は明日でよろしく」
「明日?」
「バレンタイン。生チョコが良い」
生チョコ…これはまた難しそうなものを…俺作ったことないからな、そんなの。
「大丈夫大丈夫、簡単らしいから」
本当か…?お前の簡単は当てにならない。後で調べておこう。…嗚呼、買う材料増えた。
「作れたらな」
「やった、ふふー、ルウちゃんのチョコ楽しみだなあ」
「男が作るもんを楽しみにすんなよ」
「だってルウちゃんのが1番美味しいから~。俺に一杯頂戴ね?」
「はいはい」
俺に抱きついて来る愁の言葉を適当に流して携帯にポチポチと『生チョコ』とメモを取る。買うつもりだったけど、愁だけじゃなくて他の人のも生チョコにしようかな。多分1人分だと余るだろうし。
ー俺寝れんのかなあ、今日ー
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