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「狼城君」
昼休み、理科室に行こうとしたら女子に声をかけられた。
涼が心配だったから、今日は2人で昼食を取りたいと愁に伝え、急いでたところだったから表には出さないけどイライラ。
適当にあしらって、早く行こうと思ってると、人はどんどん増えてる。…何、何なの空気読んで。涼のとこ行きたいのに。
…とは"生徒の俺"は言うことはできずイライラは募っていくばかり。
「えっと、受け取ってください…!」
「え、は、ちょ」
有無を言わせず半強制的に押し付けられたそれに戸惑っているとどんどん俺の手元に増えてくそれら。
「…意味わかんねえ」
何で俺足止めくらって物押し付けられてんだろ。すげえイラつく。後で愁に押し付けよう。
イライラで今日がバレンタインだと言うことを綺麗さっぱり忘れていた俺はそれらの物の意味することに気付くことはなく、涼が待つ理科室へとかけった。
「…あれ、昴流今日1人?魔咲は良いの?」
「…俺が頼んだ」
「…そう」
理科室に行くと、実験用のテーブルに寝転がる涼がいて、やっぱりその声は聞き間違いなんかじゃなくて疲れきっていた。
「…昴流それは?」
「あ?急いでたら押し付けられた。要らねえし後で愁にやるつもり」
「そっか」
「なあ、涼」
「ん?…っ、ふふ、何?どうしたの?」
両手に抱えていたそれらを机にばらまいて、涼に飛び付いた。
額に手を当ててみたけど、熱はなかった。
「…無理しないでね」
「してないよ」
「嘘」
「してないって」
ーじゃあなんでそんなに元気がないんだよー
そう聞きたかった。けど涼が笑ってんのを見たら聞けなかった。多分、触れて欲しくないところなんだろうなって。
だから俺も笑って「それなら良いんだ」って返した。
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