アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
「ケツヒリヒリするんだけど」
現在地風呂。体を洗ってる時に思ったそれを湯船に浸かっていた涼に愚痴った。明日起きても痛かったらどうしよう…。
「え、でも気持ち良かったんでしょ?」
「あ、う、うるさい…っ!」
「クク…ッ、照れんなよ今更だろ」
確かに、その気持ち良かったけど……、終わった後振り返ってみれば恥ずかしいもので。尻叩かれてイった…。穴があったら入りたい…。
「…あの動画と写真どうすんの…」
「え、そりゃあパソコンにデータ移した後編集して出張の時とかのおかずにするけど?」
「っぶ…げほ…っ」
当然のごとく言われたそれに思わずむせてしまう。聞いた俺が馬鹿だった。
「もう絶対撮らないからな」
「えー、来年も撮らせて?」
「…う、」
来年、つまり次の誕生日。そう言われたら絶対撮らないと言えない…。狡い。
「…」
「な、なに…?」
髪を洗っていると涼の視線を感じ手を止める。洗い残したとこでもあったかな。
「いや、お前肌白いなと思って。後毛が薄い剃ってる?」
「剃ってないけど…」
そんなに言うほど薄いか?白いのは多分半袖でいるのが少なかったからだと思うけど…
「ふぅ…ッ、ん…」
洗い終わって、ちゃぷんと音を立てて湯船に入り、涼の股の間に座る。
と、後ろから手が伸びてきて性器の付け根らへんを撫でられた。
「ここ薄い方だとおもうんだよな」
「ん…そう…?」
「嗚呼、凄く剃りたい衝動にかられる」
「えっ」
剃る…って…えぇ…。やだよ、恥ずかしいじゃん。生えてないみたいで。
「こんなとこ剃ったって楽しいことないだろ…」
「んー、楽しいって言うか所有印?キスマークみたいなもんかなあ」
…嗚呼、もう。そう言われたらして良いよって言い…いや駄目だ。ここだけは駄目だ。男として終わる気がする。
「でも、生えてない昴流もえろくて良いかも…」
「…楽しんでるんじゃん」
「そうだな。独占欲大半楽しみちょっと?」
「俺に聞くな」
「剃らせてくれない?」
「うー…」
涼にされるならどんなことでも嬉しいけど、やっぱ剃るのは…無理だけど涼が喜んでくれんなら…でもここだけは守らないといけない気がする。
「…勝手に剃れ、よ…」
最終的には結局そう言ってしまう押しに弱い俺ってなんなんだろ。
「ふふ、やった。剃刀買わないと」
ルンルンな涼。楽しそうで何よりだ。
うん、もう良いよ。お前が喜んでくれんならそれで。毛位くれてやるよ畜生。
「…ありがとな昴流」
「ん…っ、」
陰毛を撫でるのをやめ、ぎゅうと後ろから抱き締められる。涼の髪の毛が首筋にかかってくすぐったい。
「…俺さ、今日お前が来てくれたのがすげえ嬉しかった。来ねえと思ってたから。…俺の誕生日だから平日泊まるのは難しいのに泊まるつもりで来てくれて。俺が好きなもんも作ってくれて…俺の無茶振りに全部応えてくれて」
「…嗚呼」
「俺、自分の誕生日嫌いなんだよ」
ポツポツと語りだしたのを俺は黙って、時に相槌をうって聞いた。
「こんな日が誕生日だからさ、それを後付けして毎年毎年同じような塵ばっか渡されんの。『あっ椿くん今日誕生日だったんだ』だの、『そうなんだ~おめでとう』だの言って下心丸出しな塵ばっか。誰も心から祝ってくれるやつなんていない。だからこの日はすげえ疲れる。欲しくもねえ塵を笑って受け取らねえといけないから」
「…そう」
だから今日は元気がなかったんだな。
「…悪い、何語ってんだろうな」
「いや、ありがと」
涼の話に要らないものなんてない。
まだ全部話してくれた訳じゃないけど、涼のことを知ることができた。それだけで俺は嬉しい。
「…涼は、俺が居ても誕生日嫌い?」
「お前が居るなら好きになれるかもな」
「じゃあ俺、来年はずっと涼の側にいるね。学校じゃあ難しいけど…、その、出来る限り…!」
俺はいつも涼に守ってもらってるから、だから涼の誕生日の時くらいは俺が涼を守ってあげる。
「後、誰よりも早く誕生日を祝うし、プレゼントを渡すね。…だから来年は笑って。俺、涼の笑顔が好き…」
「クク…ッ、嗚呼、ありがとな。…来年もお前をプレゼントしてくれんの?」
「う…それは夜だけ」
「じゃあ泊まりに来てくれんだ」
「…その日は特別」
「ふふ、そう、それは楽しみだな」
涼がずっと笑っていられるように俺頑張るよ。
それでいつか、涼が誕生日を好きにならなくても良いから嫌いじゃなくなってくれると良いな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
240 / 1113