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新年度最初のS.H.R.。
教室にチャイムより少し遅れて入ってきた涼は俺らを見るなり早速ため息を吐いた。
「相変わらずですね2人は。改善する気が無いようで」
「悪い?」
「悪いです。…まあ今年は魔咲君が?席を勝手に変えなかっただけましですかね」
「あ゛あん?」
早くも始まった涼の愁への挑発。それに乗って今にも涼を殴ってしまいそうな愁。
その光景に、周りはハラハラとしながら涼と愁を交互に見ていた。
これが涼と愁の朝の挨拶…基朝の喧嘩だ。
それで、このままじゃ2人の性格上いつまでも続くからいつも止めに入ってるのは俺。誰も止めようとしないから。止めれないから。
「いてっ」
ポケットの中に入っていた飴を掴んでそれを愁の頭に投げつける。隣のときは口挟むだけで良かったんだけど距離があるとだるいな、朝だけ隣に居て欲しい。
「ミルクティー!ルウちゃん大好き!」
「魔咲君?S.H.R.中に飴を食べないでくれます?」
飴の味を確認すると、途端に表情を明るくさせ、封を開けるとそれを涼の注意を無視して口の中に放り込んだ。
「ああもう…」
食べてしまえばそれ以上何も言えない。今度は深くため息を吐いた後「次は食べないでくださいね」とまた注意した。
「狼城君も、S.H.R.中に飴を投げない。そしてピアスを付けない。式があるときは付けないようにって言いましたよね?」
「さあ、覚えてねえな」
「じゃあ今すぐ外しなさい」
「嫌だね」
「初日くらい大人しくしてください…」
3度目のため息。
それに俺は心の中でごめんねと謝罪した。
次から投げるのは消ゴムにするな。
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