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ー知ってる人が居ない…ー
L.H.R.でブロック分けが発表されて、種目決めをするために、そのブロックごとでその時間に集まったんだけど…、知ってる人が居ない。
去年は愁と一緒だったから良かったんだけど…。サボろうかな、体育祭。
「さぼったらお仕置きな」
「ひにゃ…っ?!」
隅の方ーちょうどドアの隣ーに立っていると、そのドアから入ってきた涼に後ろから尻を揉まれた。
周りが騒がしいから先の声聞こえてないと思うけど急にすんな。マジ吃驚した。
「…つか、なんで涼いんの」
「んー?俺赤担当なの」
俺らの会話なんて騒がしさで周りには聞こえないから素で話す。
赤、俺のブロックの色。…てことは涼と同じ?
「嬉しい…。俺頑張る」
先まで全くやる気がなかったのに涼が同じだと分かると頑張れそうな気がしてきた。俺って単純。
「ふふ、可愛い。…期待しておきますね狼城君?」
仮面をかぶり直し、にっこりと俺に微笑み頭を撫でる。擦り寄りたかったけど我慢して、振り払った。
「うざ」
「それは残念。本番サボらないでくださいね?」
そう言ってクスリ、と笑うとコツコツと音を鳴らしながら教卓の方に行ってしまった。
「はい、皆さん静かに」
涼が手を叩いたのを合図に教室は静かになって、ブロック長の3年の人が話を進めていく。
棒引き、二人三脚、借り物…。色々と有ったけど、とりあえず男子は強制のバンブーと騎馬戦だけ名前を書いた。
「狼城君、倍々の400行けます?」
「は?嫌なんだけど」
後はもういっかな、早く終わんねえかな、って思ってたら涼が話しかけてきた。
倍々リレー。普通のリレーもあるんだけど、これは名前の通り段々と走る距離が長くなっているリレーで1番走る距離が長いのが400メートル。400も俺走ったことねえんだけど。
「じゃあ部活で練習に付き合うので出なさい」
まさかの命令形。
「おい、俺は嫌ーー…」
「はい、狼城君400メートル書いてください」
「あ、はい」
「聞けよコラ」
俺の意思は無視で、勝手に決められてしまった。陸上部だと本当に強制的にリレーに出さされるんだな。しかも400メートルとか鬼畜過ぎ。
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