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「ろ、狼城君…ちょっといい?」
「…あー?何」
周りが順番決めやら種目で人数あわせでじゃんけんやらしてるときに、隅の方で携帯を弄っていると女…確か副ブロック長が遠慮気味に話しかけてきた。
「えっと…Tシャツ買わないといけないからサイズ知りたいんだけど…Lで大丈夫?」
「える…?」
Lってどんくらいなんだろ。服買いに行くことねえからなあ。何かデカそう。音的も文字的にも。
「…Lってどんくらいあんの」
「えっ、えー…どのくらいなんだろ。確か身長170前後だったと思うんだけど…あ、カーディガンのタグにサイズ書いてると思うからそれ見てくれない?」
「ん」
なるほど、その手があったか。
言われた通りカーディガンのボタンをプチプチと外し、脱いでタグを見る。サイズはM。
「けどこれ少し大きいから、もう1個小さい方が良い?」
「そうね…別に運動用だし大丈夫だと思うわよ?」
「んー、じゃあM」
「了解、ありがと」
手に持ってたプリントに何か書き込むと、教卓の方に戻っていった。多分書いてたのは俺の服のサイズ。
「狼城…えっと、騎馬戦の事でちょっといいか?」
「?何?」
携帯に視線を戻そうとすると、今度はブロック長に話しかけられた。
俺がブロック長の方を見るとちょっとビクついた。
「えっと…上か土台、どっちが良い?上なら俺らのとこになるん、だけど…」
俺の機嫌を伺いながら説明していくブロック長さん。俺こんなことで怒ったりしないから怯えなくて良いのに。
「…俺騎馬戦したことないからどっちでも良い」
「え、したことないのか…?えー…狼城体重は?」
「…54?くらい」
「軽いな…上の方が良いかも」
「俺軽いの?」
「嗚呼…軽い方だと思う」
「…ふーん」
170センチでこの体重って普通だと思ってた。俺は軽い方なのか。やっぱ軽い奴が上の方が騎馬戦って良いのかな。
「いや、必ずしもそう言うわけではないな。上だから力が弱くても大丈夫って訳じゃないし…」
「俺力はある方だから平気」
「本当?じゃあ上頼める?」
「ん」
「助かる、上が中々見つからなかったんだよ!」
俺が頷くと、パア、と表情を明るくさせ、俺の手を握ってきた。
それに驚いていると、我に返って手を離しワタフタとしながら俺に謝ってきた。
怒ってるように見えたのかな。
勘違いされたままだと、ずっと謝ってきそうだから俺から手を握ってみた。
「宜しく、団長サン」
驚いた顔をしてたけど、俺がへらりと笑ってそう言うと「おう」って笑って返してくれた。うん、悪い人ではないかも。
実際、ブロック長さんは結構良い人で、その後チャイムが鳴るまで騎馬戦のコツとか、俺が分からない種目の事とか教えてくれた。
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