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そして、体育祭当日。
朝からそいつらは騒がしかった。
「ルウちゃーん?!嘘、何で?何で?夏服デビューは?」
「…寒かったんだよ1枚じゃ」
Tシャツの下にインナーを着ている俺をブンブンと揺らす愁。俺の夏服デビューに本気で期待していたらしい。それは残念だったな。
「俺すっごく楽しみにしてたのに…」
「俺も」
吉柳貴様もか。
どんだけお前らは俺の夏服に拘るんだ。
「……あー、ほらインナーが肌色だと思えばそれっぽく見えるだろ」
「黒だよね?黒をどうやって肌色に脳内変換しろと?」
「無理あるな」
そんなこと言われても、俺脱ぎたくねえもん。頑張って色変えろ。
「…じゃあ、せめて!せめて袖捲ろう?腕出してみよう?」
そこまでしてお前らは俺に"長袖"以外を着させたいのか。
「…はあ、寒かったら戻すからな」
2人のしつこ…根気に負けて仕方無く袖を捲ると、キラキラと目を輝かせ、俺に拍手をおくった。そして「頑張った」だの「進歩!」だのと言われる始末。
何なんだよお前ら。
「思うに、ルウちゃんがこの気温で"まだ"寒いって感じるのは長袖に慣れちゃったからなんだよ。だから夏服に少しずつ慣らしていこうね!」
「来年こそ頑張ろうな夏服デビュー」
お前ら俺の父か何かなの。
もうやだ、なんなの。2人のテンションについていけない。
「…父と言えば今日狼城のお父さん来んの?」
父さんは…確か頑張って時間作って昼には行けるようにするって言ってた。兄さんも。
兄貴は今日休み取れたから1日中居るって言ってたと思う。幸仁さんと吏さんと、要さんと優さんも午後から来るとか。
「あ、後桂木さんも来るってメールが今日来た」
「げえ…、零来んの…来ちゃうの…」
「桂木さん?誰?」
「愁のバイト先の先輩」
「へー」
どこで知ったのか、今日の朝メールで『10時くらいに行く』って送られて来て、それを言えば愁が凄く嫌そうな顔をした。
曰、桂木さんがゲイと暴露した一件からちょくちょく貞操を狙われるようになったらしい。
まあ、流石にこんなところで口説きはしない…と思いたいが。頑張れ、愁。
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