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「お帰りー」
「ん、…ってもうほぼねぇ…?!」
皆の元に戻ると、大量にあったおかずが殆ど無くなっていた。
「男大人数だから仕方ない」
「ゼロちゃんが結構食べた」
「お前も結構食べてたろ」
「るー、お皿ー」
「あ、あざす」
要さんから取り皿と割り箸を受け取って数少ないおかずを皿にとっていく。
来年はもう少し多めに作った方がいいかもしれない。
「昴流ー飲み物何が良い?ジュース?コーヒー?お茶?水?」
「ブラック」
「おっけー」
コポコポとペットボトルのコーヒーを紙コップに注ぎ、それを俺に渡す。
それを1口飲むと、シートの上に置き、箸を動かしていく。
「兄貴昼終わったら何?」
時計を見ると後20分で午後の部が始まる時間になってて、プログラムを忘れたからプログラム表を持ってた兄貴に聞く。
「午後の部は…『応援合戦・二人三脚・倍々リレー・綱引き...』って続いてる」
「じゃあ応援合戦終わったら動かないといけないのかあ…」、
「…応援合戦って男子も出んの?」
「ゼロちゃん、出ると思ったの?」
「80%くらい」
…桂木さんは通常運転ですね。
残念だけど応援合戦は女子だけだよ。
「まじかよ…、まあ朝見た感じ良いオトコは居なかったし…良いや」
残念そうにしながら俺を後ろから抱き締めてくる。体育祭まさかの男漁りで来たのって思ってしまった。俺たちの応援ですよね?勿論。そう思いたい。
「んー…っ何ですか」
「ワンコが可愛く走るの応援しとく」
「ありがと…?」
「えっお前走るの?!何処で!」
兄貴が驚いて声を荒らげる。
あ、そういえばリレーに出るとは言ったけどどのリレーの何番目とか言ってなかったな。ごめん兄貴。
「倍々で最後走る」
「最後?!…親父、彗、今日赤飯食べに行こうぜ」
「赤飯限定の店なんてねぇよ」
「赤飯がある店も中々聞いたことがありませんね」
たかがアンカー。祝い事ではないだろ。赤飯が勿体ないぞ。
「昴流、他には?」
「え、騎馬戦」
「あ、ルウちゃん大将でーす」
「大将?!赤飯じゃ足らない?!!」
1回赤飯から離れようか。
「噂だとさ、倍々と騎馬戦紫が1位だって」
「そうなんだ?」
「嗚呼、倍々に足速い奴集めて、騎馬戦は大将がヤバイらしい…あ、噂だからな!」
…紫が強いのか。
じゃあリレーは紫を抜けば良いってことだな。騎馬戦の方は…
「昴流が大将なら楽勝だって」
兄貴が酒、ではなく珍しくジュースーを飲みながらそう言う。
曰、酒を飲んでないのは医者である父さんと兄さんに警告を出されたからだとか。
…と、閑話休題。
「何で俺だと楽勝なんだよ」
兄貴の発言に疑問を抱く。楽勝だと言うけれど俺初心者だから。下手したらすぐ取られると思う。
「んー…体が"感覚"を覚えてんだろ。誰がどう出るか、自分はどう動けば良いのか…って具合にさ。一度身に付いたら中々抜けねぇよ?それと同じように考えてみろって」
なるほど、でも喧嘩と一緒に考えたら相手を殴ってしまいそうだな。
一番俺に合う考え方だとは思うから負けそうになったら殴らない程度でそう意識してみようかなぁ。
「すーご褒美作戦は?せんのん?」
「え、ごほうび…?」
ご褒美って何だ。俺が1位になったら、みたいな?
うーん…もうそんなので喜ぶ年じゃないしなぁ。何も要らないや。
「…え、なに言うてんの。強請る相手はダーリンしかおらんやろ、それでダーリンにーーングっ?!」
「俺の可愛い弟に何余計な知識詰め込もうとしてるのかな?カーナーメー」
俺に聞かすにはまずかったらしく兄貴が要さんの口を塞ぐ。
聞き取れた奴を整理すると、涼に何か強請ればいいってことだよね。
…うーん…一緒にいたいとか?明日は日曜で明後日は振替休日で休みだから泊まりたい…そういうのでもいいのかな。
涼なら時間をずらしたりはしてもちゃんとオーケーしてくれるはず…。
ご褒美って、小学生じゃないんだからって感じもするけど、そういうご褒美なら欲しいかも。
「ん、ご褒美作戦?する」
「え、昴流…?要が言ってたご褒美は昴流にはまだ早く…はないけど…そういう奴だぞ?」
「?泊まりに行くのも駄目なのか…?」
「…泊まり?」
「明後日は休みだから泊まればずっと涼といれる…と思ったけど駄目?」
要が言っていた厭らしい意味でなく、純粋な意味。
それに昴流を除いた全員がため息をつき、要の頭を殴った。
「俺変なこといった?」
「んーん相変わらず可愛いよ」
「…む…?」
「ルウちゃんはそのままが可愛い」
「カナメみたいになりませんよーに!」
…あの、俺はどう反応したら良いですか。
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