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「…涼?」
次の日、目が覚めたら隣に涼の姿は居なく、代わりにリビングからコーヒーの匂いが寝室にまで漂っていた。
時計を見るとまだ時刻は7時前。こんな早くに休日に起きたことはないのに…。
疑問に思いながら寝室からでてリビングに行くとスーツ姿の涼がいて、市販のパンを食べながらコーヒーを飲んでいた。
「…仕事か?」
「ん…?嗚呼、おはよう」
「おはよ」
「呼び出し食らっちゃったんだ」
やはり、仕事か。
仕事なら「何で!」って怒ることはできない。仕方のないことだ。
「今日のは埋め合わせするから、ごめんね」
「…いつ、帰ってくる?」
「んー…早く終わらせたいけど急いでも7時に帰れるかどうか…」
「そう…」
12時間以上涼を待つのか。…少し寂しいな。でも、我が儘は言ったら駄目。これは仕事だから。
「晩飯作って待ってる」
俺がよく泊まりに来るようになったのをきっかけに、以前ある程度の調理器具を買ったらしいので涼の家で料理は出来る。なにもしていないで待っているより、何かしていた方が寂しさも紛れる。
「晩飯…スパゲッティが良いな」
「スパゲッティ…」
「あっさりしたやつ」
じゃあナポリタンとかカルボナーラとかは避けた方が良いか…。後でスーパーに行くとしよう。
「…頑張ってね」
"たったの"12時間だ、自分にそう言い聞かせて寂しい気持ちをグ、と堪え笑顔でそう言った。
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