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ー広い、な…ー
涼が仕事に行って俺1人になった涼の家は、静かで、こんなに広かったっけと思うくらいに広かった。
その広さが、寂しい気持ちを膨らませていく。
「っ、駄目だ」
涼が悪い訳じゃないんだ。
パチン、と両頬を叩くと俺は辺りを見渡した。
涼が帰って来るまでに俺が出来ることをやって時間を潰そう。
掃除機をかける音は朝しなかったからまだしてないだろうし、風呂場だってまだなはず。あと、洗濯物だって。
やることは沢山ある。それに没頭して寂しさを紛らそう。
そうして時間を潰して早10時間ちょっと。現時刻5時半。
晩飯の下ごしらえ済んだし、もうすることもなくなった。
テレビをつけてもこの時刻に面白いものはやってなくてすぐに電源を消し、リビングをぐるぐると回る。
…嗚呼、駄目だ。落ち着かない。
まだ時間は早いけどシャワーでも浴びよう。そうすればスッキリするかもしれない。
風呂から出て、軽く体と頭を拭いてリビングに戻る。
泊まり用の荷物の中から下着と寝間着を取り出して着ていく。
その時、ふと俺が畳んだ涼の服に目が行った。一番上には涼が昨日着ていたジャージ。
駄目だと頭ではわかっていても着る筈だったスエットをしまって、それを羽織った。ブカブカで、俺の手が見えないくらいに袖が長い服を。
「ふふ、涼の匂い…」
涼の匂いに包まれる感覚は悪くなく、どこか安心すらした。
喉が渇いて冷蔵庫を見る。水があれば、と思っていたのだけれど水も、お茶も無かった。…涼何飲んでるんだろ。朝コーヒー飲んでたけどまさかコーヒーだけ…?偶々切れてるだけかな。
仕方ないので水道水の水を飲もうと冷蔵庫を閉じようとした瞬間に、500ml程の大きさのペットボトルが目に入った。
無色透明。…もしかしてこれが水?
1度封が開けられた跡があるそれを手に取って開けてみ、まじまじと見る。
底面には『是非飲んでみて』という文字。しかもハート付き。誰が書いたのか分からない。怪しい…。けど害の有る飲み物ではないはずだ。涼の冷蔵庫にあったんだから。
今度は蓋を取って匂いを嗅いでみる。匂いは…桃?
…桃ジュース?
『飲んでみて』…美味しいから飲んでみて?
よく分からないけど喉が渇いてて飲めるものなら何でも良かった俺は手元にあったそれをコップに少量注いで、それを飲んだ。味は普通の桃味。
コンビニとかで売ってる某何々味水に近い…?
飲んだ感じ劇物では無いようなので、コップに入っていたそれを飲み干すと食洗機に入れた。
ーさて、何しよう…ー
やることはもう本当に無くなった。
7時まで後1時間。
ゲームで暇を潰すにしても1時間は長すぎる。かと言って良いテレビはなかったし…。
ーそうだ、寝ようー
1時間だけ、1時間だけ横になろう。寝たら時間なんてすぐに過ぎる。
そう思うと行動はすぐで、俺は寝室に行ってベットにダイブした
俺用の、ではなく涼用の枕を抱き締めて早く時間が過ぎるようにと祈りながら瞳をゆっくりと閉じた。
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