アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
昴流は、欲が少ない子だと思う。
もしあったとしても他人のことを考えて堪えてしまうタイプだ。
それはきっと、勘違いであったにしろ昴流が過ごしてきた家庭環境のせいで、勉強漬けで何かに興味を持つなんて暇がなかった彼は何かを欲すると言うことに乏しくなり、父と兄が医者だと言うこと、誤解による自分は2人に家族だと思われていないという考えから甘える、ということが出来なくなってしまったんだと思う。
否、ちゃんと甘えれては居るんだが、遠慮している部分がある、といった方が良いかもしれない。
で、冒頭に戻る訳だ。
本当は行きたくなかったが上司に収集をかけられたとなると、行かないわけにも行かず、昴流にそれを伝えると少し寂しそうな顔をしていた。
「何時帰ってくるの」と昴流が聞いてきた裏には「早く帰ってきて」という意味が込められている気がしたが、本人はそれを口にすることはなく、無理をして笑って俺に「頑張ってね」と見送ってくれた。
そんな昴流が心配で、7時に終わり、帰れる自信が無かった仕事に早く終わらせるためにいつも以上に没頭した。
今頃どうしているだろうか。朝の様子からして寂しがってるんじゃないだろうか。帰ったら謝って一杯抱き締めてあげよう。
…何て思いながら仕事をして、終わらせたのが6時半過ぎ。人間愛する人のためなら限界を超えれるもんだな。
家に帰れたのは7時近くで、明かりのついているリビングには誰もいない。
あるのは昴流が畳んでくれたのであろう俺の服だけ。…昴流は?
リビングに来るまで明かりがついてる部屋はなかった。てことはトイレでもないし風呂でもない。…外に出てる?
昴流がどこに居るのか確認するために携帯を取り出して電話帳を開き、昴流のをタッチしコールを鳴らそうとした。
…が、寝室から微かに声が聞こえその手を止め携帯をポケットにしまい、寝室に近づいていく。
『ぁ…、ん…っふぁ』
近づくにつれ、その声は愛しい人の可愛い声だと知る。
この扉の奥で"あの"昴流が…欲が薄い昴流が俺がしろと言っていないのに自慰をしている。
2ヶ月に1回するかしないかくらいはしているとは言っていたのだから自慰をすること自体はそこまでいうほどではないのだけど、俺の家では昴流の性格上しない行為の筈である。それなのに、していることに驚きを隠せなかったのと同時に、興奮を覚えた。
『ぁ、りょぅ…っあっんぅ…ッ』
自分の名前を呼ぶのが聞こえ、我慢できなくなった俺は寝室の扉を開いた。
その先には、昨日着た俺のジャージを羽織ったほぼ裸も同然な格好をした昴流が自分のを扱く姿があり、ソレを目の当たりにした俺は自身の口角が上がるのを感じた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
288 / 1113