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リビングに戻ってきた涼が語り始めたものは今の涼からは想像の出来ないものばかりだった。
あのチャラ男さんは涼の中高での同級生で、あの人の言った通り、女男来るもの拒まずで付き合ってる相手がいたとしても寝ていたらしい。…あ、でもちゃんと顔は選んでたみたいだ。そこはそこまで重要じゃないか。
その頻度が思っていたよりも多くて高校時代は多くて週4。大学生になればほぼ毎日だったそうだ。
けど、それ以上に驚いたのは涼の抱き方。
気に入らなければ玩具を突っ込んで放置したり、無理矢理突っ込んだり、首を絞めたり、軽い暴力を振るったり…。全部に共通するのは相手を"性処理道具"として見ていたってこと。そこに俺にしてくれるような相手への気遣いは全くなく、聞くに耐えないものばかりだった。
「言い訳みてぇになるけどそうやって抱かねえと勃たなかった」
曰、相手の苦痛に歪む顔や、泣いて助けを乞われたりしないと性的興奮を持つことができなかったそうだ。鬼畜。あのチャラ男さんが言ってた言葉がちらついた。
「皆こう言ったよ。『椿君もっと優しい人だと思ってた最低』…ってな。優しい人?勝手にそう決めつけて、理想と違えば逃げて。俺の性癖にも問題があるってのは分かってたが、結局の所は誰も"俺"を見ちゃあいなかった」
だから涼も"相手"を見て行為をしたことはなく、それが涼の性癖に繋がっていった、…そう言うことなんだろう。
…嗚呼、なんだ。"同じ"じゃないか俺と涼は。
形は違えど涼も"自分"を見てもらいたかったんだ。
涼の語る事が想像を超えていて戸惑いを隠せない部分もあったけど、それが知れたことが素直に嬉しかった。
「…涼は、その…俺にそういう事したいの?」
性癖を抑えて俺に合わせようとしてくれているんじゃないかって思って、そう聞いてみた。
「お前が泣くようなことはしたいと思ったことはない。大切にしたい」
それに涼は首を振りながらそう答えて、また嬉しくなった。
「ふふ、じゃあ俺が初めてなんだな」
好きになったのも、大事にしたいと思ったのも俺が初めてだって事だろ?
15も離れてる人なのに、そんな人の初めては俺で。恋人として嬉しいと思わない訳がない。
「何でお前そんなに嬉しそうなの…。普通引くだろ」
「逆に何で引くの?」
そりゃあ驚いたけど…俺が涼を引いたり、嫌いになる所なんて無かったじゃん。
「それに…"普通"は、なんだろ?それって今までのやつらと同じで俺がお前の事好きなのは形だけってことじゃねえか。…俺そう思われてたの?」
「んな訳ねえだろ」
「じゃあ嬉しく思っても何もおかしくない」
「……そうだな」
俺がへら、と笑うと小さくではあるが微笑み返してくれ、ポンポンと俺の頭を撫でた。
前とは反対の立場。涼も俺の話を聞いたときこんな気持ちだったのかな。
「俺、涼の事嫌いにならなかったね」
「そうだな」
「大好き、涼」
俺が思ってた程強くはなかった俺の恋人。その"弱さ"を知れて、俺はもっと涼の事が好きになった。
「次は"右"だね」
「…ん…っ」
右の耳たぶを甘噛して俺はまたへらりと笑った。
「俺"にも"涼の事守らせてね」
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