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「…なあ、涼。あれ何?」
「んー?」
もう少しだけ花火まで時間があるので、屋台を見て回っていると玩具の拳銃?を机に並べてる所があって、気になって涼の浴衣の袖を引っ張って聞いてみた。
「…ああ、射撃だよ」
「射撃…」
聞いたことは、ある。確か景品を撃ったら貰えるんだっけ。
「やってみる?」
「んー、別に欲しいの無いしーー…あ、やっぱやる」
一番奥の方に少し大きめの熊の人形のストラップがあって、それが欲しくて店の人にお金を払った。
人形を買ってもらって以来、涼と似ていると思うと熊に愛着がわいてしまって、熊を見たらそれが欲しくなってしまう。…本物の熊は欲しいとは思わない、勿論。
渡された玩具銃の弾は5発。…今更だけど当たるかな。
「お前できんの?」
「わかんねー…けど…やってみる」
…ま、5発あるんだ。ちょっとずつ調節して当てればいい。
右手にエアガンを持って意識を景品に集中させる。
ーパンー
1発目は当たるどころか大きくはずしてしまった。横から涼が「本当に出来んのか?」と尋ねてくる。
「んー、多分」
先ので感覚は掴めた。頑張れば次かその次で当てれるはず。
ーパン、パンッ…ー
2発目ギリギリで外れて3発目がストラップのお腹の辺りに当たった。
嬉しくて、子供みたいに跳び跳ねそうになったのを必死に堪えて、店の人にストラップを貰うと、早速携帯につけた。
「良かったな」
「嗚呼。…ふふ、可愛い…」
涼の髪色に近い色のストラップでむにむにと押して遊ぶ。ずっとやってられそうだ。
「お前が可愛い」
「ふえ…?わ…っ」
涼が俺には聞き取れないくらいの音量でボソッと呟くとわしゃわしゃと俺の頭を撫でてきた。
「人形とじゃれてないで続きしないと。 まだ残ってんだろ?」
「あ、うん」
目的は達成し、射撃の存在を忘れてしまっていた俺は、そう言われエアガンを握り直した。
けど探してみても特に欲しいものは無くて、残り2発は適当に撃って消費して、弾がなくなった本体を店の人に返した。
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