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そして時は現在に戻る。
「あぐ…っ、」
リンチにあって何分経ったか分からない。ほんの数分のことかもしれないが俺にはとても長く感じられた。
身体中が痛くて、意識が朦朧とする。
けど、殴り返したりはしなかった。俺が喧嘩を止めたってことを証明するために。ここでやり返したら今までと同じだ。
「あ゛ア゛…っ」
腹にくらった一撃で体は限界を迎え、その場に崩れ落ちた。
「うぁ…っ…?」
「どうしたよ?お前なら立てんだろ?」
リーダー格の男ー長いからボス猿と次から省略するーに髪を引っ張られ、無理矢理立たされる。
けど、俺には立つ力なんて残ってなくて手が離された瞬間、またドサッと地面に倒れた。
「らしくねぇなァ?」
そんな俺を見て、ゲラゲラとそいつは笑う。
らしくねぇも何も、もう俺は喧嘩は止めたんだ。
「はっ、言っただろ?お前は止めれない。1度覚えた"快感"を体は忘れることはできねぇ。今はそう言ってられてもいつかは戻る。…それが今なら仲間にしてやるって話なだけだ」
「…俺は、戻ったりしねぇよ」
こいつの言ってることは正しいんだと思う。俺の中に"狂狼"はまだ確かに居て、それが居なくなることはない。掘り起こせば俺はいつでもそれに戻れる。
…だけど俺には涼が居るから、絶対俺は戻らない。その意思を曲げることはしない。
「…だから、殺れよさっさと。てめぇらが満足するまでよ」
勿論、俺が死なねえ程度でだけど。
「おいおいおい…!マジでワードック卒業かあ…?!つまんねぇやつだな」
「…悪かったな」
「じゃあお望み通りフクロにしてやるよ。…交渉決裂だ。てめぇら、手加減すんなよ」
「っす」
「了解デース」
ボス猿は下っ端に指示を出して、廃材の上に座った。そのかわりに下っ端が俺に近づいてくる。
…てめぇは高みの見物って事かよ。
「じゃあ、人狼狩りを始めようか」
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