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夏休み明け。自然治癒力が化物並にない俺は一瞬で怪我を治せるわけがなく、車椅子での登校。
涼が車で送ってやると言ってくれたけど、付き合ってるのがばれそうだったから断って、愁に頼んだ。
愁に送ってもらうと知ると不服そうな顔をしていたので、また今度ちゃんと謝っておこうと思う。
「1年経たずに車椅子とかルウちゃん怪我しすぎだよね」
「う…」
「まー、俺も人の事言えないけどね」
車椅子を押してくれている愁の頬には湿布が貼られていて、恐らく服の中もこの様子じゃあ怪我してる。
曰く、俺と同じように絡まれたらしい。まあ、返り討ちにしたみたいだけど。
「骨が折れてないのが救いかなー。つかもう折りたくねぇ。すげえ痛いし洗えないから最悪」
「…あ、そっか」
洗えないのか…。それはきついな
「ていうか、ルウちゃんバイトどうすんの?それじゃあ無理だよね?」
「嗚呼…。ギブスとれるまで休み」
「じゃあ2ヶ月位フリー…。って待って、家事どうしてんの?」
家事…。そうなんだよなあ、椅子に座って何かしないといけないから難しいんだよな。洗濯とか、兄貴にできるもんは任せてるけど料理は俺がするしかないから苦戦しながらやってる。
「いや、料理もすんなよお前…?!」
「え…や、でも…」
そうしないと100%の確率で兄貴の飯がカップ麺になるから俺がやらねえと…。
それに、昼の弁当も作らないといけないし。大変だけど…仕方なくね?
「…良い嫁になるよ、お前」
「は、嫁?」
「嗚呼、嫁。…いやおかん?流星さんのおかんで椿の嫁?」
「…なんだその年齢の矛盾」
つか、俺男だし。
「けどルウちゃんが旦那はない」
…うん、そうだな。
俺もそんな感じがする。認めたくないけど。
「1回椿に定番過ぎるけど『ご飯にする?お風呂にする?それとも俺?』って言ってみたら?…っぶ、悶える椿が余裕で想像できる」
「えっ…?」
定番過ぎて誰が言うんだろうって台詞を何で俺が言わないといけないんだ。
「絶対喜ぶぜ?ま、次の日腰に力が入らなくなるかもしれないけど」
「えー…」
涼が喜ぶなら言ってみてあげようかなとか思ったけど、それは嫌だからやっぱ言うの止めよう。
だってこの体で腰もさようならってかなりの一大事だぞ…?
治ったら…考えてやらないこともないけど、多分言わねえだろうな。
「だろうね、冗談」
お前の冗談は涼と同じで冗談に聞こえません。
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