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車椅子生活を初めて早1ヶ月と半分。
人間、同じ環境化でずっと過ごしているとどんなに不便でも慣れてくるもので、最初ほど苦労することはなくなった。
昨日病院に行くと予定よりも早くギブスをとっても良いかもしれない、と兄さんに言われた。洗いたくて仕方がなかったから有り難い。と言うか、もう痛くないんで今すぐに取ってください。
「はああ…ルウちゃんのこのギブスとおさらばかぁ…」
落書きされた腕のギブスを撫でてはため息を漏らす。俺は嬉しいけどな。このギブスすれ違うやつに何回2度見されたと思ってんだ。…あ、でも涼が描いたのは残したい…。
「ルウちゃん、また骨折したら描いてあげるね」
「今度はカラーで描くか」
「良いね」
「良くねぇよ」
ぜっったいもう骨折ったりしねぇ。
「まあ、良かったじゃん?早めに取れそうで。このままじゃあ文化祭の時も車椅子になりそうだったもんなあ…」
…確かに。文化祭で車椅子とか俺邪魔になるだけだろうからな。お前なんで来たの?休んどけば良かったのにレベルで。
「文化祭かあ…今年は何するんだろうね」
「劇するって盛り上がってた奴が居たぞ」
「うわ、ぜってぇやだ。それなら模擬店の方がいい」
「同意」
それこそ俺邪魔者じゃん。練習できない、かといって裏方で何か出来る訳でもねぇ。
後、個人的に劇となると練習・準備の2つでダルい。
「お前らどれでも結局はダルいって言うだろ…」
劇反対派の俺と愁に吉柳がため息。
いや、そんなことは無ー…、言いますね、きっと。
「もうさ、文化祭ってイベントを無くせば良いんだよ。そうしたらダルいって思わないから」
「無理だから諦めて」
「…サボれば良いんじゃね?」
「それだ」
「サボらないで下さい」
…冗談だ。半分本気で言ったけど。
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