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「この昴流超可愛い…。吉柳も良い仕事をしたな」
「…止めろ、消せよその画像…」
「え、嫌だけど?」
吉柳に写真を撮られたってことは、勿論涼が見るわけで。俺の笑うしかない悲惨なそれに顔を緩ませる。これがどうやったら可愛く見えるんだろう。謎だ。
…良い仕事したって、お前が脅したんだろ、って思ったけどそれは突っ込まないでおく。
「可愛い…ふふ。今度2人きりの時に着てくれない?」
「…はぁ?」
嫌に決まってんだろ。馬鹿か。
お前の願いでもそれだけは聞けねぇぞ。
「…こんなに可愛いのに」
「可愛くねぇよ」
「可愛い、天使。…真に用意させないと」
「聞けよコラ」
そこで真さんを使わないで下さい。あの人絶対ノリノリで作るから。
「…なあ、俺男なの分かってる?」
「うん…?分かってるよ?だって昴流女にはねぇのついてんじゃん」
「ひぁん…っ?!」
「何当たり前のこと言ってるの?」って感じに俺の股間をさわさわと撫でる。
え、何。俺が悪いの?
「俺、言っとくけど野郎の女装見んのが好きな訳じゃないからな」
「じゃ、なんで俺の…」
「お前は特別。お前は何着ても可愛いの」
女の服でも可愛く見えんのは理解しかねるが、特別って言われたのは嬉しい…なんて。単純だな、俺。
「…けど、それとこれは話は別だ」
お前が何を言おうと女の格好はしねぇ、絶対に。
「…どうしても?」
「嗚呼」
「残念」
しょんぼりとする涼に少しだけ罪悪感を覚える。…何で俺が悪いみたいになってんだ…俺は悪くない、よな…??
うん、悪くない。俺は男なんだ。女の格好すんのを拒否して何が悪い。普通のことだ。そうだ、俺は悪くない。
…はずなのに、どうしてか胸の引っ掛かりが無くならない。それどころかどんどんその違和感は大きくなっていって…。
嗚呼…もう…。どうやったって最終的に折れるのは俺なんだな。
「…文化祭で、すんだから…それで、その…、良いだろ…」
サボるつもりだったのにな、お前のせいでサボれなくなった。
「っ…、ふふ…。うん、楽しみにしてる」
どう足掻いても俺が涼に勝てる日は無いんだと思った。
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