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「昴流、そいつとキスすんの本当に嫌だったの?」
俺が涼にどうやったら俺の気持ちが伝わるか考えていると、先に涼が沈黙を破った。
それに、運転中の涼は見えないのに大きく首を振って頷いた。
「や、だった…。くち、びるにとか…っ俺、愁とはすることあるけど…愁とすんのは昔からやってたから抵抗ないだけで…」
「…魔咲以外には抵抗あるんだ」
「っ、嗚呼…」
「吉柳とも?流星さんとも?彗とも?…お前と仲が良いやつとも?」
有るよ、そりゃあ初対面のやつとするほどじゃないし、しようと思えば出来ない事もないけど…けど出来たとしてもそれは、それの中にある俺の気持ちはお前のとは違う。
「…お、まえとちゅーすんのだけ特別…」
キスだけでイっちゃいそうになるくらい気持ちいいのも、幸せで胸が一杯になるのも。涼だからだ。涼じゃないとこんな風にはならない。
「ふーん…。特別…ね」
「お、俺涼が、腕でも嫌だったなら、もうしない…!愁ともしないから…っ、ごめ、んなさい…」
スキンシップでするのも、それから涼以外にされるのも。
俺が好きなの涼だけだから、涼が嫌なことはしないように気を付けるから。涼のためなら何でもするから、だから怒らないで。
俺恋人なんていなかったから、涼が怒っても何をしたら良いのか分からない。
「…悪い。大人気なかったな」
「ふ、ぅ…っ?」
「お前が俺以外の奴にキスしたって聞いて気持ちが抑えきれなくなった。『俺じゃなくても出来るのか』とか『何で俺の知らねえ所でそんなことしてんだよ』…とか。ごめんな」
「ち、が…」
負のオーラは消え、代わりに後悔にも近い、申し訳なさそうな顔をして俺の頭を撫でた。
違うのに、涼は悪くないのに。俺が、ちゃんと嫌だって言えてたら…
「ゲームだったんだろ?お前なら周りの空気を気にして嫌でもやる…なんてこと冷静になればすぐに分かることなのに。お前は何も悪くねぇよ。冷静さに欠けていた俺が悪い」
「でもお、れが…」
「だから、昴流は何も悪くない。…いつも俺の為に無茶苦茶な事を言っても聞いてくれる。先も泣きそうになりながら謝って。…俺に尽くそうとしてくれる、俺には勿体ない位に出来た恋人だよ」
逆だよ。付き合って1年とちょっとしか経ってないけど、お前に一杯迷惑をかけてきた。
そんな俺の隣に1年以上"も"居てくれてる。涼の方が俺の恋人には勿体ないよ。
だからと言って、離したりは絶対にしないけど。
「…俺、欲張り…?」
勿体ないと分かっていて、離したくないなんて。
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