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「りょーにー!」
「にー!ぎゅー!」
「はいはい」
襖を開けて部屋を繋げ、大部屋にされたそこに顔を見せると、涼のもとへすぐさま駆け寄ってきた小学校の低学年くらいの子供を、涼が抱き上げる。
涼がこうして小さい子と触れ合うのは新鮮であり、子供相手に見せる笑顔が可愛らしい。
涼に気づかれないようにカメラを立ち上げて、携帯のレンズで涼を捉えた…所でレンズ越しに涼と目があった。
ーカシャー
「え、ちょ…昴流」
「かわいー」
自然体を撮りたかったけど、カメラ目線でも良いや。これロック画面にしよ。
「こんなやつのどのが可愛いんだ?」
「ひゃ…っ?」
ぽちぽちと設定を弄っていると後ろから誰かに肩に腕を乗せられる。横を見ると涼…では無くて、ちょっとちゃらい…?感じの人が先俺が撮ったロック画面に設定され中の写真を眺めていた。
「あ、あの…?」
「初めまして」
「は、い…初めまして…」
「…おい人のにセクハラしたらぶん殴るからな雪路」
「まだなにもしてねぇだろ…」
その人をキッ、と涼が睨む。
雪路…え、この人が叔父さん…?予想してた感じと違う…。
「…にしても随分とまあ、可愛い子だな。俺も何度か聞いたことがある"最恐"の不良と付き合ってるって真から聞いたもんだからもっと厳つい奴が来ると思ってたわ」
そういって、眉間に皺を寄せて、指で目尻を吊り上げる。
想像していた俺の顔を再現しているのだろうか。
「…聞いたことあったんですね、俺がそう呼ばれてるの」
住んでるのがここら辺なら、知っていてもおかしくない。
俺がそう聞いたのは驚きから、ではなくて『それなのに何も言わないのか』って疑問から。
身内なんだ。そんなレッテルが貼られた奴と付き合って大丈夫なのか、って不安はなかったのだろうか。
俺が、そう言い直すと、雪路さんは「何で?」ときょとんとして首をかしげた。
「このヤリチン野郎が一目惚れしたんだろ?それが答えだ。逆に俺は感謝したいくらいだね。最恐だとかそんなんどうだって良い。こいつを"まともな人間"に変えてくれたんだからよ」
「…はあ」
「それに、だ。昔臣が君に助けられたらしいな。だから涼がそういう子と付き合うって聞いても特に不安なんて無かったかな。なんたって臣が『天使が舞い降りた!!』って発狂してた位だし」
ー本当に噂通りの奴なら天使だなんて言わないだろ?ー
…嗚呼、俺は涼と付き合うよりも前から雪路さんに知られていたんだ。
俺はそのときの事を覚えていないけれど、臣にとっては忘れられない出来事で、雪路さんの会ったことのない俺への印象を変えるのには十分すぎる物だったんだ。
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