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「ユウ君、また今度会える?」
女ー名前は覚えてないーにシャワーを貸して、20分くらいして部屋に戻ってくるとそう聞いてきた。
また今度、1度きりと互いに同意した上だっただろと思いながら1度煙草を吸ってから笑顔で答えた。
「さあ、まあ見つけたら声かけて。俺今携帯壊れてて修理中でさ、今持ってんの借り物なんだよね」
「あ、うん…」
呼吸をするように嘘をつく。
嘘を初めてついたのはいつからだっただろう。
その嘘で人を初めて落としたのはいつだっただろう。
いつから俺は"悪魔"と言われるくらいに嘘をつくのに慣れてしまったんだろう。
例え枷が無くなっても、見えなくなっても、深く抉られた傷は癒えてはくれないらしい、と嘘をつく度に実感する。
「君さ、悪魔ってどうやったら人に戻れると思う?」
「えっ…?」
「やっぱ、1度"祓われ"…死なねえと無理なのかもな」
…なんて、どうでも良い女に言ってる俺は何なんだろう。
祓われた悪魔はどうなるんだろうか。落ちるとこまで落ちた存在。もしかしたら死んでも人間に戻れないかもしれない。
じゃあ、他に方法が有るとしたら?
生に飢えたワーウルフは人に戻れた。
愛されることによって、愛すことによって。
ーなら"俺"は?ー
「それを…"愛"を知れば何か変わると思う?」
そんなことで堕天した存在が元に戻れるんなら苦労しないと思うけど。
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