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シフトの時間も終わったから、さっさと帰ろうと荷物を纏める。
その時たまたま見た携帯に1件の通知が有って、それを確認するために手を止めた。相手は零だった。
『俺ファイル忘れたりしてねえ?』
ファイル…嗚呼、このいかにも忘れ物ですって感じに置かれたこれか。
『あるけど』
『そん中に明日提出しねえといけねえのが入ってんだよな』
明日か。来たときに持って帰れと言おうと思ったが明日が提出期限ならそう言うことも出来ない。
何でそんな重要なのを忘れたんだか。たまに抜けてるところがある。
明日…は土曜日。昼からバイト入れてるけど朝なら…。
『お前大学どこ』
『あ?』
『大学。ついでに学部も。朝届けてやるよ』
『マジで?ありがと愁チャン』
その直後に大学名と一緒に投げキッスをしているスタンプを送られてきた。きもい。
この大学なら家からそう遠い距離じゃない。バイクで20分走れば着くか。
明日はバイトの時間のギリギリまで寝るつもりだったのに。何か奢らせてる絶対。
『ブランドチョコと引き換えな』
『はいはいコンビニのチョコな』
どうやったらそう見えるんだ、と思わず心の中で突っ込む。
ブランド物はまあ、冗談なんだけど。そこまで高いものを奢らせるほど鬼じゃない。
…でも、往復40分とお前を探す時間も考えたらその労力分にしては200円未満のチョコは安くねえか?…なんてな。
『あ?良いぜうちの学食奢ってやるよ。うちの美味いから』
冗談で言えばすんなりとオッケーが出た。
これはこれで良しとしよう。貰えるものは貰っておく。
『何時くらいに来れそうだ』
『そうだなあ…』
早く来すぎるのもあれだし、昼に近ければバイト遅れそうだし…。
『11時前』
が妥当かな。
『りょーかい。んじゃおやすみ』
『おやすみ』
そこで会話は終わり、ポケットに携帯を突っ込むと鞄を持って店から出た。
今日は5時くらいに寝るつもりだったのに、零のせいでもっと早めに寝ないといけなくなった。
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