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「ごめんねユウ君」
「…あ?」
零が友人とばか騒ぎしてるのをぼーっとして眺めていると、突然、隣から謝罪の言葉。
「美桜ちゃん何かしたっけ」
「あっ、いや…前恋人になってみない?って軽く聞いちゃって…今思えば失礼だったかなって」
「嗚呼、そんなこと」
失礼、どちらかと言えばそれは俺の方なんじゃないか。そんなことを今になっても気にしていたなんて。
「あの時のユウ君ね、今にも消えちゃいそうな顔してて放っておけなくなったの」
「してた?そんな顔」
「うん、してた。…何て言えば良いのかな、そんな顔を見て今誰かがユウ君の側にいてあげないと…って思っちゃって」
「同情?」
「そうじゃなくて…うーん…同情とは違うんだけど…」
「ごめんね、分かってる」
意地悪で聞いてみると、本気で俺にあの時の気持ちをどう説明したら良いのか考え出したので、申し訳無くなって冗談だということを伝える。
「俺こそ悪かったな変なこと言って。…どうかしていた」
「ううん、大丈夫。きっとユウ君は1人で抱え込んでしまうタイプなんだよ。それが爆発したんだと思うよ。…誰か相談できる人居ないの?」
一夜限りの関係だったはずの俺をこんなにも心配してくれる。
それは、下心なんかじゃなくて本心で。
嗚呼、もしかしたらこの人は、俺にまた会えるかと聞いたのも心配からだったのかもしれない。情事の最中の俺の変化に薄々感づいていたのかもしれない。
「相談…ね。どうだろ。俺そういうのあんましたことねえから」
「んー…そっか。…あ、じゃあ私がなってあげようか相談相手」
「は?」
「親しい人には話せないことも有るだろうから、1度話してくれた私には話しやすいでしょ?」
にっこりと笑って優しい言葉をかけてくれる。
何でこの人は本名すら呼ばせてくれない相手にこんな風に出来るんだろうか。
人の心を表情で読み取る事が出来るからこそ、それが不思議でたまらなかった。
だから、聞いた。「何で俺にそんなことを言ってくれるんだ」と。
そうしたら彼女は笑顔を崩さずに答えた。
「放っておけないのに理由はいらないでしょ?」
と。そして、「ユウ君とあわよくば付き合いたいとか思ってないからそんなに警戒しないで!」と付け足して俺の背中を叩いてきた。
「理由はいらない…ね。そう」
琉生と昴流を足して2で割ったような感じの女だと思った。
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