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その問いに零は軽く舌打ちをする。恐らく肯定。
「ははっ、マジかー…」
「俺は分かってると思ってたがな」
「いや、分かんねえよ!お前本気か冗談か分かりにきいし」
セクハラしながら「付き合え」って言われても分かる訳がない。もっと誠意を込めて言われてたら俺だってすぐに気づけてたし、振ってばかりじゃなくて俺だってもしかしたらお前の気持ちを考えて答えていたかもしれない。…まあ、下になるのは嫌だし、どうせ振っていただろうけど。
触ってくるのを止めたのはこいつなりに本気だって俺に知って貰いたかったからで。
やっぱりこいつ苦手だ。感情が分かりにくい。
「本当損だな零って。…お前と別れた奴の気持ちが分かった気がする」
「あ゛?」
暴君だけど、実は優しい。顔も良い方。しかも好きになったら一途と以前言っていた。
恋人になるにはこれだけ聞くと文句無しだ。
だけど零の気分屋な所が零の気持ちをあやふやにしているというか相手には伝わりにくいというか、それにすぐ手だって出す。
時間に縛られるのは俺も嫌だとこれも以前の零との会話で言ったけど零が好きなんだと自覚した今、零の元恋人達の気持ちが痛いくらいに分かる。
不安だった、本当に好かれているのか。俺がイライラしていたのときっと同じ理由。
…嗚呼、本当"残念過ぎる"
ムカムカしていたのが無くなった代わりに、笑えてきた。もう笑ってるけど。
「っくは…ははっ」
「…笑い過ぎだてめぇは」
「いで…っ!」
腹を抱えて笑ってると頭を叩かれた。結構本気で。頭蓋骨割れると思った。ゴリラめ。
嗚呼、でもそうか。零って俺の事好きだったんだ。それって半年も片思いってこと?…否、もしかしたらそれ以上?零がそうだったんだと思うとまた笑いそうになった。
「良いぜ、付き合っても」
「あ?」
「俺もお前のことが好きらしい。まあネコにはなりたくねえが」
半信半疑のところもあったけどその言葉を口にすると『これだ』って零への気持ちに面白いくらいにピッタリと当てはまった。
なあ、昴流。お前は"ここまで"気づいていたのか?
お前と同じくらいに好きだと思える存在が出来たこと。
そしてその先に何を見た?"人に戻れた俺"か?
お前が刺されて入院したときに見せたお前の笑顔の先にこの光景は映ってたか?
ー本当、お前には敵わないー
明日ちゃんと謝らないとな。謝って、それから礼を言って、好きな奴が出来てそいつと付き合うようになったこと。明日は言わないといけないことが沢山有る。
「それで、返事は?」
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