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「ごめんねルウちゃん!!」
翌日。学校に行くと真っ先に昴流に謝った。土下座する勢いで。否、土下座しても良かったかもしれない。
教室に入るといつもは朝琉生と話してるのに机に突っ伏してる昴流がいて、自分がどんだけ馬鹿な事をしたのか改めて思い知った。
「昨日はちょっとムカムカしてたっていうか…、八つ当たりしてごめんね。俺ルウちゃんの事大好きだから!」
「…あ、ああ…」
「ルウちゃん思いっきり俺殴ってメロスみたいに!」
「えっと…」
バッと俺が両手を広げると、昴流は困ったように首を傾げた。
「しつこかった俺も悪いだろ…?だから落ち着け…」
何で俺が一方的に悪かったのに、こんなときでも自分を責めるんだろう。お前のその優しさに甘えてしまいそうになる。
でも、やっぱこれはけじめだ。戒めだ。もうお前を傷つけないための。
「殴ってくれないと俺はお前の隣にいられない。…昴流殴れよ」
「…良いの?」
「嗚呼俺をメロスだと思って」
「いや俺個人はメロスに対してなんの感情も抱いてねぇけど…」
2度目のメロスに苦笑いしながら昴流は立ち上がって俺の前に立ち、そして手を振り上げた。
ーバシンッ…ー
そして、直後に鳴る乾いた音。
殴れと言ったのに叩いてきた辺り昴流らしいと思った。
「でも戒めとしてはちょっと弱い気もする…」
「…俺これ以上は出来ねぇぞ」
「えー…、あっルイちゃん!ルイちゃん代わりに!」
「えっ、俺もやんの?」
「ルウちゃんの気持ちを代弁して!」
「…嗚呼、うん」
琉生を巻き込んで申し訳ないと思ったけど、どうせなら頬が腫れるくらい思いっきり殴られないと意味がない気がした。
「昴流さ、お前が昨日教室飛び出して家に帰っちまった後ずっとしょんぼりして泣きそうにしてたんだぜ?」
「…う、本当ごめん」
「だから、その分な」
ーぎゅむー
殴られるのとも叩かれるのとも違う痛み。両頬を思いっきりつねられて引っ張られる。
「殴んのは昴流が望んでないならしねぇよ。いつもの仕返しだ」
「ぅゆ…」
「はい終わり。次は洗濯ばさみでやるからな」
それはそれで…はい、良い戒めになりました。
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