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1度カフェに入って、珈琲を飲みながら今日呼び出された理由について聞いてみる。
そうするといつも顔色を変えずにはっきりとものを言う桐華さんが珍しく顔をほんのりと赤く染め、言いづらそうに視線を落とした。
「クリスマス」
「…?」
「…のプレゼント買いたいんだけど何にしようか悩んでしまって…それであんたに連絡したのよ」
「プレゼント…?」
嗚呼、そういやクリスマスまだ終わってなかったな。先に渡しちゃたからすっかり忘れてた。
プレゼント…プレゼントかあ。
「同級生に聞いた方が早かったんじゃねえの?」
「…わんこなら私が渡す相手にどうのこうの口出したりしないでしょ。友達に聞くのはからかわれそうでね」
「なるほど」
まあ、確かに追求しようとは思わないけど。この言い方とか反応からして好きな人にでも渡すのかなあ。それなら気まずくなる可能性だってあんのに態々プレゼントに男である俺を誘ったのも頷ける。
「でも俺あんま分かんねぇよ?プレゼント何が良いかとか」
「…あんたは買ったりしなかったの?」
「ピアス買った」
「確かに、買えないわねそれは」
「どんなのにしようと思ってんの?」
「……形に残らないもの?かしら」
「…何で?」
そうなると消費系。でも、普通逆じゃないのか?好きな人に渡すんなら残したいと思うんじゃないの?…もしかして俺の予想違ってた?
「…付き合ってもないのにそんなの渡すのって迷惑じゃない?」
…予想は当たってたけど付き合う前の段階だったのか。
そう言うことか。付き合ってたら残るものでも良いだろうけど、これは桐華さんの片想い。もし向こうが桐華さんの事を恋愛対象として見ていなかったとき残るものだと向こうだってそれをどういう風に扱えば良いのか困ってしまうんじゃないか。
…多分桐華さんはそう言いたいんだと思う。
まあ、一理あるといえばあるか。
桐華さんがこれが良いって思ったのを選んだら良いと思うけど、そういう風に考えてしまうのが彼女らしい。
…あれ、それって向こうが桐華さんが自分を好きだと知ってる前提で、片想いってことは告白はまだなはず。
「明日のクリスマスに告白すんの?」
「…っ」
顔赤くなった。当たりらしい。
「とーかさん恋する乙女だね。かわい」
「……」
「あう…っ?!いた…すねは駄目だって…」
クスリと笑って言うと机の下で脛をガツンと蹴られる。じんじんする…そんなピンポイントで蹴ってこなくても…。
「あんたって、本当タチ悪いわよね」
「何で」
「自分に向けられるものには鈍感なくせに…ムカつくわ」
「えっ、ごめん…」
何故か知らないけど桐華さんに怒られた。
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