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あの後桐華さんは俺が泣き止むまでずっと頭を撫でてくれて、そう言うところが俺は昔のことで正確には覚えてないけど母親みたいだと思った。…メニュー変わるのは嫌だから口には出さなかったけど。
昼食も食べ終わって少し休憩してからデパートへ向かう。平日だが冬休みなのとクリスマスイブというのもあり、人で溢れかえっていた。
デパートの店を全部把握できてる訳がなく、マップを貰ってきて菓子を売っている店を見て回っていく。
「…とーかさん」
「何?…きゃっ?!」
「店を見るのは良いけど人にぶつかる」
通りすぎる店が菓子類だったら視線でそれを追ってしまう桐華さんが危なっかしくて、現にも人にぶつかりそうになって桐華さんの肩を引き寄せる。
「俺から離たら駄目。転けるぞ」
「…悪かったわね」
「気になるのあったら俺止まるからそんときは言って」
なるべくぶつからないように人を避けて歩きながらこのフロアのマップと店を交互に見る。
どれも美味しそうではあるけど、果物が使われてるところは少ない。全部の菓子が果物を使うわけではないんだから当たり前のことではあるが。
「わんこ、あそこ」
「…ん?…嗚呼、うん」
桐華さんにちょいちょい、と裾を引っ張られて桐華さんが指差した店へ行く。
その店はケーキ屋。果物が使われた菓子と言えば、ケーキがオーソドックス。
ショートケーキ、モンブラン、ロールケーキ。果物が使われてるのは沢山ある。
「良いのあった?」
「…どれもあり来たりと言うか…もっとこう…ワンポイントじゃなくて…」
「果物1杯乗ってるホールケーキみたいなの?」
「そう、それの小さいサイズの…」
切り分けてるのは見かけるけどこの店にはそれも無さそうだ。
「ケーキなら他にも色々とあるからそっち見る?」
「そうね、そうするわ」
「ん、じゃあ次行くか」
店を出て現在地を確認にて他にケーキ屋が無いかマップを見てみる。
今の階には無さそうだから次のフロアに行くかな。
「っ、と…」
前を向いて歩いていると足に衝撃。
こんな道の真ん中に何置いてるだと思いながら下を見てみると、それは物ではなく、人。幼稚園児、高くて小学生の低学年の女の子。
「悪い、大丈夫か」
「…っふえぇ…」
「え…マジかよ」
腰を屈めて聞いてみたら目が合った途端に泣かれた。それはもう殺人鬼に遭遇した勢いで。
そんな痛かった?あ、それともピアス怖い…?
そんな風に泣かれると心にグサッと来るものがあるから泣き止んでほしい。
「…わんこ何泣かせてんの」
「えっ、ごめんなさい…」
桐華さんに責められ、反射的に謝る。
俺何も悪いことしてないんだけど、何で謝ってんだろ。
周りの視線が痛い。あれ、まさかの俺加害者なの…??
逃げてしまいたいが、こんな状況で逃げたら本当にそうされてしまいそうで仕方なく少女を抱き上げて人通りが少ないところに移動し、丁度座る場所があったので少女をそこに座らせる。
この後どうしよう、俺子供の接し方とかわかんねぇよ…。
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