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迷子問題も無事解決し、再び桐華さんのプレゼント探しに。
何店舗かあるケーキ屋を見て回ったんだが、良いのが見つからず時刻はもう夕方の5時。
桐華さんに諦めの雰囲気が漂い出した頃に、最後の店に着き、そして見つけた。
ケーキ風の、果物が一杯乗せられたタルトの店。これなら桐華さんが出した条件を全てクリアしていて、桐華さんも真剣になって買うケーキを厳選しだし、時に俺に聞いてきたりしながら、30分以上悩みに悩んでタルトの入った箱を2つ店員から受け取った。
「良いの買えた?」
「ええ、ありがとわんこ。はい」
「ん…?」
「今日のお礼。付き合ってくれてありがと」
そういって渡してくれたのは、先店員から貰ったばかりの箱。
何で2つって思ってたけど俺の分だったのか。
「……ありがと」
「このくらいはね」
デパートの外に出るともう6時にはまだなってないが辺りは真っ暗。イルミネーションだけで街を照らしている状態だった。
「とーかさん、明日頑張ってね」
「…ええ」
「渡すだけにならないようにな」
「……分かってるわよ」
相手が誰かは知らない。詮索もしない。
俺が知ってるのはその人が好きで、明日それを渡して、気持ちを伝えるって言う大まかな事だけ。
けれど応援するよ。だっていつもは見られない一面が見れたから。プレゼントを選んでる桐華さんは真剣で、それでいて楽しそうで。
そんな表情をする彼女が好きだと思った、純粋に。
「……っていうか、わんこ私の後ついてってるけど家こっちの方なの?」
「……んー、まあ…そうだな」
嘘。本当は反対側。けどここらは日が落ちると治安が悪くなる。それなのに1人で帰らすなんて出来るわけがない。朝絡まれてたんだから余計にそうだ。
……何て言ったら桐華さんはきっと強がって「要らない」って言うだろうから言わないけど。俺ちゃんと嘘つけたかな。
『今日のバイト色々あって家事が終わりそうにないので、ピーク時にはいれるよう急ぎはしますが遅れると思います。ごめんなさい』
『はいよ~』
後2時間後にバイトが入っていて今日は全く手をつけてない家事の事を考えると間に合う気がせず、優さんにそのことをメールで伝えて電源を切って携帯をポケットに突っ込んだ。
翌日、桐華さんからメールで『上手くいった。ありがと』というメールと共にタルトを頬張ってる桐華さんの新彼氏さんの写真が送られてきた。
その人は
「水瀬さん……?!」
…で、驚きのあまり暫く放心状態になったのはまた別の話。
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