アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
一方、他3人。
こちらはどこか座れる場所が無いか見て回っていた。
「中々見つからないわね…座れそうなとこ皆座っちゃってるし…」
「俺だけだったら見つけれたんですけどねー」
「あら、私達がお荷物って言いたいのかしら…?」
「いえ、可愛い弟の大切な人の前で粗相をするわけにもいかないでしょう」
にっこりと笑顔で言うそれに、ゾッと真は悪寒が走るのを感じた。琉生はその言葉の意味に気づいていないようであるが…。
「貴方ってかなり黒いでしょ」
「嫌ですね。俺はただの弟2人が大好きなリーマンですよ」
「…どうせ1人なら"無理矢理席を作ってた"…んでしょう?」
「はは、どうでしょうね。俺だって何か食べたりするために座ってる人の場所は奪ったりしませんよ」
「そうじゃない人は?」
「なんの事だかさっぱりですね」
流星の笑顔は崩れることはない。それが逆に肯定しているように真には見えた。
ー嗚呼、本当に"黒い"人ー
会ってみたいと思ったのは自分でこう思うのも失礼かもしれないが、今まで出会ってきた中で1・2位を争うほどに流星は腹の中がどす黒い、と真は思った。
弟の前ではデレデレで、そんなこと思わなかったのに居なくなればこれだ。
2人の前では猫を被っているのか…はたまた
「"龍の逆鱗"か」
どちらにせよ、彼を怒らせるのは得策ではないのは確かだ。
「どうでした?俺と会ってみて。楽しみにするほどの人間でもなかったでしょう」
「勝手な話だけど想像よりも大きく外れてましたね。…ホストっぽいし」
「はは…、ホストね」
「腹黒いし、どうして昴流君があんなに真っ白でいられたのか不思議なレベルね。だから色んな意味で期待を裏切ってくれたかしら」
「うっわ、言いますね」
ズバッとオブラートに包みもせず自身の印象を言われ、ケラケラと笑う。こういうところは涼と似ている。
「…でも、兄だなと思いましたよ。腹黒いのは間違いないけど弟思いの優しい人なのは確か。昴流君の優しいところはきっとそう言う所から来たんでしょうね。それにあのブラコンっぷり。そこは期待通りでした。御馳走様です」
「…どうも?」
2人の兄だと思ってもらえたのは喜ばしいが、萌対象として見られたのは複雑な心境だ。まあ、流石にいくら腐女子と言えど恋人がいる昴流と愁と兄である自分で18禁的妄想はしないと思うが…。純粋に兄弟愛に対しての萌だと思いたいところだ。
「兄貴ー買ってきた。席見つからない?」
「ハニ~~!」
弟の声が聞こえるとキラキラと目を輝かせて後ろを振り返り、蕎麦を持った弟の方へかける。
その表情に先までの体を震わせるような黒いものはなく弟が大好きで堪らない兄のそれで、真はクスリと笑った。
「次はブラコン設定で作ろうかしら」
…なんて彼女が2人を見て次に描く同人誌のパロディネタを考えていたとは誰も知ることは無いのだろう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
533 / 1113