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人生ゲームは俺のぼろ負け。手加減とかした訳じゃなくて、本気の勝負で負けた。
「すーくん人生詰みそう」とか言われたときはまじでこいつら小学生低学年なのかと疑った。まさかこんな小さい奴等にそんなこと言われるなんて。
「昴流、その時は俺が養ってあげるから安心して?俺の専業主婦する?」
それで涼はそれを本気で取って慰めてくるのは止めてくれ。ただのゲームなのに負けたのが悲しくなってくる。
「それより、りょーにーおとしだま!」
「ちょうだいりょーにー!」
子供と言うのは興味の矛先の転換が早いもので、涼に手のひらを見せ正月恒例のあれをねだり始める。
「はあ?何言ってんの?俺のお金は全部昴流に貢ぐためにあってお前らにあげるのは1円もない」
「えぇ…」
冗談じゃなくて本気の目。子供相手に何言ってるんだこの男は。恥ずかしい。
「しってるー『みつぐ』って『さいふ』のことでしょ?」
「それでお財布の中がなくなったら『すてられる』んでしょ?」
「りょーにーごみ箱いきなの?かわいそう」
「………うん、分かった。分かったから止めてくれ。お前らがあいつらに変な知識詰め込まれたのは痛いくらいに分かったから心臓にナイフ突き刺して行くのは止めてくれ。あげる。お年玉ちゃんとあげるから」
「「「わーい!ありがとりょーにー!!」」」
一応は用意していたらしいポチ袋を頭を抱えながら鞄から取り出して渡す。
そうすれば子供達はキャッキャッとはしゃいで親の方に言ってしまった。
子供達がどこかへ言っても尚ズーンとした重い空気が涼の回りを漂っていて大丈夫かと頭を撫でていると、突然抱き締められた。
「涼…?」
「……財布」
「財布?忘れたの?取りに帰る?」
「…………空になったら捨てられる…塵箱行き…」
「ご、塵…?え、あ…嗚呼…」
先言われたことで凹んでるのか。俺がどっか行ってしまうと思ったのかな。可愛い。
「別に俺涼に貢いでもらおうとか考えてないからな。俺一緒にいてくれるだけで幸せ」
「…俺子供嫌い」
「はは…」
小さい子って無邪気な分一点に集中攻撃してくるもんなあ。そこが苦手なのは俺も分かる。
まあ、邪気の塊みたいな子供もそれはそれでどうかと思うけど。
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