アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
「せんぱーい、むくれてないで体動かしましょう?後3分の1残ってるじゃないですかあ…」
「…コート着てする」
「あれ着ながら運動するものじゃないですって…」
寒い中で唯一の癒しとも言えるコートを涼に取られ、気分は現在進行形で駄々下がりだ。
「…運動場温室になんねぇかな」
「無理です諦めてください」
「…風避けだけでも」
「無理ですって。うちにそんなお金はありません」
それを言われたら終わりだ。
でも、願いたくもなるだろこんなに寒かったら。運動に適した温度じゃない。10度くらいは最低でも欲しい。絶対今日の気温氷点下だ。
「今日の最低気温は5度です。氷点下では無いですよ安心して走ってきてください」
「そんな訳ないだろ」
「ニュースではそうでしたー」
「…ニュースはちょっと高めに言ってる絶対」
「いやいや、向こう側にそんなことしてメリットないですから」
「デメリットもない」
「…もう先輩~お願いだから頑張ってくださいよー」
ゆさゆさと肩を揺さぶられる。動けと言われても寒ければ動きたくなくなるのは俺だけじゃないと思う。今すぐにでも家に帰りたい。暖房効いた部屋で温もりたい。
あ、今日の晩御飯どうしよう。寒いからグラタンにしようかな。兄貴が帰ってきたときに完成させたいからいつ帰ってくるのか聞かないと。
現実逃避して何が悪い。
風が当たらないところで丸くなって、俺はやりたくないという意思を示す。
舞那ちゃんと俺の攻防が続き、どの位経っただろうか、10分…否15分、その位経った所で俺の携帯がバイブレーションと共に光り出す。
送信主は涼。電源を入れ、送られてきたメッセージを確認する。
『昴流、そんなにここでお仕置きされたいの?俺は良いよ、青姦。面白そう。後1分待ってあげる。グラウンドに戻ってこなかったら俺そっちに行くから。そこってさあ、何気人の目がつきにくい場所なんだよな。知ってた?』
「…」
そのメールに、無言でスッ、と立ち上がりグラウンドに向かう。
『青姦』という言葉は聞き慣れず意味が分からなかったが、まあきっとそう言う意味なんだろう。悪い意味に違いない。
涼が言うと嘘には聞こえないから止めて欲しい。差し迫る1分がこれほどまでに怖いと思ったのは今日だけじゃないだろうか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
568 / 1113