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冬休みが明けてから、以前と比べると確実に変わったものがある。
「狼城君ってお菓子何が好き?」
「ちーずけーき」
「狼城君甘いの好き?」
「あんま、好きじゃない」
「狼城君ってアレルギーとか有る?」
「無い」
何故か、矢鱈と女子に質問されることが多くなった。しかも全部食べ物系。
今日も2人に聞かれた。
俺が好きな食べ物知ってどうしたいんだろう。
「去年はルウちゃんが俺に全部くれたからねぇ…」
「『狼城君は甘いのが苦手なのかも…?!』って去年女子騒いでたよな」
「そそ、今年こそ渡すだけでも渡したいんだよ」
「……む?」
去年?俺何か貰ったっけ。…あ、あーー…あれだバレンタイン。
あっ、そうだ。涼の誕生日近いや。誕生日プレゼント考えておかないと。
涼何あげたら喜んでくれるかな。涼のことだから「昴流をプレゼントして欲しいなあ」って言いそうだ。だがそれは却下だ。
…いや、それも欲しいのなら…あ、あげるけど…何かあげたい。俺は旅行ってでかいプレゼント貰ったからここで返したい。
「…うっわあ、ルウちゃんが自分の世界に入っちゃった…お花畑だよ…」
「昴流ー…戻ってこーい」
「うゆ…?」
今年はシュークリーム何個作ってあげようか…なんて考えてると2人に頬を片側ずつぺちぺちと叩かれた。
いけない、脱線してしまった。今は涼の誕生日じゃなくて何で女子に変なことばかり聞かれるのかだった。すっかり忘れてた。
「…で、何で?」
そこまでして俺に食べさせたい?あ、もしかして去年ムカムカして食べる気になれなくて愁に全部あげちゃったからそれ気にしてしまったのかな。じゃあそれは俺が悪いのか。否でも原因を作ったのは向こうで…。
「ルウちゃん…?ルウちゃんさ、俺等が言ったこと理解してないよね」
「…何の事だ」
「何てことだ…。俺等があんなに頑張って教えたのに…」
「ルウちゃんのこの鈍さはどうにかなら無いんだろうか…」
「もう無理なんじゃね?」
「む…」
何で俺こんなに2人に言われないと駄目なんだろ。俺そんなに変なこと言った?
仕方無いじゃん。本当に分からないんだから。
「ルウちゃんを陰で好きだと思ってる子多いって俺等教えたよね?忘れちゃったの?」
「俺等はまた1から言わないと駄目なのか…?頼むからもう少し警戒心をだな」
「?え、あ……そう言う…」
2人に責められる勢いで説明され、やっと2人が言いたいことが分かった。つまり、少なからず俺に何が食べれるか聞いてきた子達は俺に好意を抱いてくれてるって言いたいのか。
えー、でもバレンタインだぞ?ほら最近は『義理チョコ』だけじゃなくて『友チョコ』ってやつとかも有るんだろ?そう言うのの可能性も…。
「それなら何が食べれるか聞かないって…」
「それはお前に全部あげちゃったからかも…」
「義理なら気にしねぇよ」
「義理ってマジで義理だからなあ。チロル渡す奴もいんし」
「そそ。言っとくけど、ルウちゃんが貰ったやつかなり手込んでた奴あったからね」
「そうなの…?」
…愁と琉生が言ってることで間違いないのかなあ。うーん、そっか。
…あれ、それって余計貰ったらまずくない?涼絶対妬いちゃう。…嗚呼、俺お菓子食べれないって言うべきだったのかなあ。失敗した。
「…あ、お前等は今年何が良い?」
「あー、俺は何でも良い」
「俺!俺マカロン!」
「お前はこれはまた難しそうなのを」
聞いたのは俺だけどさ、愁よ。もう少し難易度を下げてくれ。絶対マカロンって難しいよな?
「む…じゃあブラウニー」
いかにも第2希望って感じに唇をとぎらせる。
そんなことされても俺だって作るのに限界あるんだからな。
ブラウニーか…それなら多分出来る。
うん、今年はブラウニーだな。
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