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年下の俺に頼ってきたからにはかなり切羽詰まってるんだろうから頼られた以上断りにくく、放課後教えると言うことで授業を1度もまともに受けず、文法何それ状態の英語の問題集をパラパラと捲って1から文法と言うものを確認していく。
be動詞…って何だそれ。冠詞?三人称単数?第1から第5文型って何だよ。最初ら辺で早くも挫折しそう。
けど、俺の感覚を言ったところで教えたことにならないだろうからある程度は文法ってのを知らないとなあ…。
ごめんなさい、力になってあげれる自信がありません。
ーうわ、何だこれ…ー
その文法ってのに気を付けて問題集の、1単元の纏めみたいになってる総合問題を解いてみるが、逆に解けない。
1番最初見て主語で区切って動詞を見て、それから1番後ろを見て前置詞?ってやつの後ろから訳していって…。目が回る。
文法ってのはそうなんだ程度に思ってそこまで意識して訳すもんじゃないと思った。前から流れに逆らわずに読んで、そうしたら単語単語の意味で頭は整理してくれる。日本語もそうだろう。態々1文の前を読んで後ろを読んでと行ったり来たりはしない。
日本語の文脈通りになるように読んでたら、そりゃあ英語分からねぇわ…。俺は英語と日本語は全く別物だと思って読んでるし…。
「ルウちゃん分かりそ?」
「…無理かも」
「はは…。ルウちゃんこう言う感じで英語勉強しなかったんでしょ?」
「嗚呼…、習ったのが外国の人、だったから文法は教えられたことない」
「じゃあ仕方無い。俺も文法とかあんま良く分かんねぇしー」
…だよな。別の言語を日本語として無理矢理扱おうとするから頭こんがらがるんだと思う。
それ繋がりで古典の授業ははっきり言って苦手だ。黒板に書いて説明されても訳が分からない。自分で読んで、こう言うもんだって慣らしていった方が読めるようになる気がする。
「椿は?あいつ頭そこそこ良いんだろ?あいつなら教えれんじゃね?」
文法に頭を悩ませていると、愁がぬっ、と顔を覗かせてきた。
涼かぁ…。涼英語出来たし、あの人基本何でも出来るから英語教えようと思ったら教えれると思う。
でも涼は忙しそうだ。最近は夜遅くまで仕事しているときも多くなったとか言ってた。自分の担当科目の方で精一杯だろうからあんまり涼に負担は掛けたくない。
かと言って、他の教師と話せる訳でもない。
「…俺が出来ることは頑張る」
「…あん、もー…ルウちゃん本当良い子」
「うわ…っ?!」
愁が急に横から抱き付いてきて、わしゃわしゃと俺の頭を撫でる。
それはもう、小さい子供を褒めるみたいに。何かムカつく。
「ふっつーにそう言うのは教師に押し付けとけば良いのに…頑張り屋さんなルウちゃんに飴をあげる~」
「あ、ありがと…?」
がさごそと鞄を漁りだし、そこからまたカラフルな袋が出てきて、可愛らしい包装が施された棒付きのキャンディーを握らされた。
…大阪のおばさん……?
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