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あれからと言うもの、涼の絶倫っぷりを嫌な位に体に叩き込まれ、起きたら体がばっきばっき。
もう起きてしまったらしい涼は隣にいず、代わりに顔の近くに縫いぐるみが。布団と毛布と、分厚く掛けられて、空調もしっかりと効いてる。俺が冬は着込むからか設定温度は少し高めで。
そうやって俺に合わせようとしてくれる然り気無い優しさに胸がぽかぽかとして、自然と笑みが零れた。
ぬくいし、このままずっとここにいたい気もするけど、時間が時間だからエアコンを切って軋む体に鞭打って立ち上がる。
壁を伝ってリビングに行くと、仕事でもしているのかパソコンと向き合っている涼がいた。
「りょお…」
「ん…?…嗚呼、おはよ昴流。腰大丈夫?」
「気抜いたら腰抜けそう」
「はは…ごめんね?」
名前を呼べば、真剣にパソコンと睨めっこしていた目をこちらに向けて、立ち上がり俺を抱き上げる。申し訳なさそうに眉を下げて謝ってくる涼。俺涼相手だから怒ったりしないのに。
「今週がんば、れる…?」
「ふふ、可愛い昴流一杯見れたし充電ばっちり」
「…なら良い…うれしい…」
腰は痛いけど、涼がこれで出張の間も元気でいてくれると思ったらこの位大した痛みじゃない。
「…嗚呼…、もう…、何でこんなに健気なの。天使ちゃん…」
「んゆ…?」
「大好き」
俺を膝の上に座らせて、きつい位に抱き締めて、頬をすりすりとしてきて。
…良く分からないけど涼が嬉しそうにしてくれてるし、良っか。このままで。
「…?え、な…っ?!!」
ふと、目が行ったパソコンの画面。液晶一杯に広がる光景に顔が茹で蛸みたいにみるみる赤くなっていく。
仕事してるのかと思ったら何してるんだこいつ…?!!
そこにあったのは、昨日のカメラが撮っていた…のであろう肌色ばかりの、映像で。
「な、なんで…これ…っ」
「…切って貼っての編集中?」
「は、はぁ…?!!」
そんなことをこいつはあんな真剣な目でやっていたのか…?!!!
「もうさ、昴流超えろいの。最初のをするだけでも勃ちそうになった」
「な、ななな…っ」
「昴流も一緒に確認する?」
誰が見るか、と言い返すよりも前に片耳にはめられたイヤホン。カチリと涼がマウスをクリックすると、その瞬間、耳に響いた誰かの、喘ぎ声。
『りょお…だめぇ…っ』
『やぁぁ…っイく…イっちゃ…!』
「あ、あ……」
液晶には、ばっちりと映ってる俺の乱れる姿。認めたくないけど、イヤホンから聞こえる声は、俺のもの以外何物でもない。
嘘だ、だって俺、こんな声…。
「可愛いだろ?女…までとは言わないけど高い声。この声で俺をいつも誘ってんの」
「や、あ…嘘、嘘…っ」
「ほんと。声の編集なんてそんな意味のないことしてないからな?」
認めたくなくて、無駄に音質の良いイヤホンを耳から外す。
こんな、こんな声違う。俺のじゃない…!
こんなの、キーが違うだけで女の喘ぎ声とそう変わらない。
俺が、こんな高い声とか絶対嘘だ。だって、俺ちゃんと声変わりしてる…筈で。
「いつもは声もっと低いよ?けど気持ち良いときはその分声が可愛くなって…ふふ、声でも俺が大好きって伝わってくるからマジでお前可愛い」
「あうぅぅ…」
「いつも可愛い昴流を御馳走様」
受け入れることの出来ない自分の声が、頭の中に鮮明に残って、イヤホンを外した今でも聞こえてくる。
それから逃げようと耳を塞いで現実逃避をする俺に涼が現実を突きつけるように耳元で囁き、頬にキスをする。
「俺は昴流のこの声好き。えろくて、可愛くて。独り占めしたい位」
「…き、きもい…じゃん…こんな、女みたいな…」
「えー、きもくないって。可愛い。俺この声に興奮する。…だから抑えちゃ駄目だよ?」
心でも読めるのか、俺が次から声抑えようとか思っているとそんなことを言ってきて。
俺のこんな声が好き好きと言ってくる涼。
こんな声が好きだなんてこいつがただ変態なだけかもしれないが、涼が好きなら…抑えないように…嗚呼でも、自分がどんな声を出しているのか知ってしまった今、同じ声を出すのに若干の抵抗があるのには変わりない。
ーーー
昴流ハピバ番外編ちまちまと更新しております。そちらを完結まで優先しますので更新が停滞してしまったら申し訳ありません…!!なるべく1日1ページは更新できるよう頑張ります。
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