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あの後は涼とのんびりと休日を過ごして、それから数日後。涼の誕生日の前日。
プレゼントは無事店員の人にも手伝ってもらいながら昨日買うことが出来た。シュークリームの方は涼が出張から帰ってきてから渡すつもりでいるから準備はバッチリだ。
放課後に直ぐ家に帰って、家事を済ませて、なるべく早く涼の家に泊まりに行く。
「ルウちゃんお花畑だけどちゃんとプレゼント買えたの?」
「っひゃ…?!」
後ろから抱きついてきて、俺の肩に顎を乗せる青色の物体。
相変わらずそいつは菓子を頬張っている。
「買え、た」
「そんで今日泊まり?…あーもールウちゃんほんと健気で可愛い」
「うにゅ…」
俺を抱き締めていた腕の力が強くなり、すりすりと頬を擦り合わせてくる。
愁の髪が顔に当たって擽ったい。
「そう言えばあいつ明日出張だっけ?」
「ん」
「ルウちゃん寂しくてしゅんってならないでね?」
「…たかが出張じゃん」
お前まで涼と同じことを言うのか。
会えないの1日、1日だから。話したいなら電話すれば良い話だししゅんってなるようなイベントではない。
俺そんな寂しがりって言われる程寂しがることあった?
「ルウちゃん結構寂しがりだと思うけどなぁ…」
「それは分かる。何て言うか椿先生と暫く会えなかったら頭に茸生えてそう」
「うわ…っ?!」
愁ではない頭を優にわし掴み出来る位の大きな手が俺の頭を撫でてきた。
250mlサイズのパックにストローを通して飲んでいる琉生の肩には今来たのかスクールバック。
まさか琉生にもそう言う風に思われてたなんて。
「そんなんじゃないし」
「俺結構ルウちゃんってそう言う所繊細だと思うけどね」
「あー、でも椿先生のことだからそうなる前に昴流優先するか」
「あいつルウちゃん甘やかしまくってるもんなぁ」
俺はそんなことないって言ってんのに2人は耳を傾けようとはせず。俺そんなに言われる程寂しがりじゃないと思うんだけど。
涼は…俺を甘やかしてる、のか……?
一杯好き好きって言ってくれるところとかがそうなんだろうか。俺自身は変態と言う印象の方が強すぎて甘やかされてると言われてもピント来ない。
「…ま、ルウちゃんが欲に鈍いとこあんのは今に始まったことじゃないしね。…嗚呼、そうだ。たまにはさ、ルウちゃんから甘えてみなよ」
「…む?」
俺から、甘える。
それはもうしてる気がする。
涼を抱き締めたり、キスしたり。休日は一緒に過ごしてる時の方が多い。
…だけど正直な所、どっから何処までが"甘える"なのか分からない。
「…あー…ルウちゃん甘え下手だもんなぁ…」
「ま、椿先生ともっと一緒にいたい、とか構って欲しいとか。そう言うのをいつも以上に言動で表現してみろってことだよ」
「そそ、そんだけであいつ凄ぇ喜んでくれるよ絶対」
「むむ…」
もっと、表現してみる…。俺は十分してるつもりだけどそれで涼が喜んでくれるんなら…あ、でも仕事終わりにそうするのって疲れてるだろうし鬱陶しい…かも。
「あいつにとってルウちゃんは存在が癒しだから」
「取り敢えず、たまにはお前から甘えてみろ、な?」
「…ん」
喜ぶ、なぁ…。
本当に涼がそんなことで喜んでくれるのか疑問が残るが、一応頷いておいた。
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