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5分間程した後に俺の方が疲れてしまっておいかけっこは終わる。それからはまた店を見て回った。服だけじゃなくて雑貨の店とかも色々と。
そうやっている内にふと時計を見たら良い時間になっていて、デパート内のフードコートに足を運ぶことにした。
涼と同じのを注文して、出来上がりを知らせるベルを持って開いている席を探す。
休日ってだけあって、探すのに一苦労。食べ終わった人と入れ違いで席を確保し、場所取りに荷物を椅子に置く。
「…あ、りょ…ごめん。俺トイレ行ってくる」
「行ってらっしゃい。鳴ったら取りに行って待っとくから。迷子にならないようにね?」
「…~っ、ならないし…!」
出掛けてる時ってトイレに行くタイミングが難しい。漏れそうって程じゃないんだけど、出来上がるのを待っているこの時間を逃したらこの先行くタイミングで迷うことになりそうだから行くことにした。それを涼に伝えて席を立つ。
迷子って。ちゃんと場所覚えてるし、いざってときにはマップがあるから大丈夫だわ。
ーーー
昴流が手洗い行って少しして、ベルが鳴ったから昼食を取りに行く。取りに行った昼食には手をつけず、愛しい人がくれた右耳の飾りをくるくると弄って、鍵の束についてる天使ちゃんそっくりのダークグレーの狼のキーホルダーをふにふにと頬を指で挟んで遊びながら、本物の天使がトイレから戻ってくるのを待った。
先日俺の誕生日に昴流がくれたこのキーホルダー。本物と同じで可愛い。柔らかい生地を使ってるからふわふわで、昴流のほっぺぷにぷにしてる気分になって触ってて癒される。
昴流が顔を真っ赤にさせながら「お揃い」ってこれ持ってはにかんだ時はかなり危なかった。何だあの破壊力は。
良く最後までしなかったなって誰か褒めて欲しい。あれどう考えても誘ってるじゃん?天然?無自覚???
出張中はずっとポケットの中でこれ触ってて何とか切り抜けられた。これがなかったら耐えられなかったと思う。
嗚呼、それとタイとワイシャツにタイピン。後でタグ見たら結構良い所の。デザインも凄ぇ悩んでくれたんだろうなってのが伝わってくるし、俺の天使が健気過ぎて辛い。ラノベやら漫画やら誰か俺の気持ちを何かに書き表してくれ。
昴流の健気さは偉大。天使が神を越した。あれさえあれば何でも切り抜けられる。
『涼ごめん、トイレ混んでた。時間かかりそう』
使うことは少ないe-mailに新しいメッセージが届き、その送信主が昴流からのものだと分かると自然と笑みがこぼれた。
SNS慣れしてない昴流からの連絡は基本メール。俺が交換しようと言ったとき登録すらしてなかった。SNSの方が色々と楽じゃない?と前言ったことがあったんだけど「設定分かんないから」って。今でもSNSは俺が登録の時に弄ってあげたところ以外初期設定のまま。打つのもちょっと遅い。未だにフリックに慣れてないのか連打して文字を出してる時がある。もう色々と可愛すぎて悶えた。
SNS勧めて正解だったと苦戦する昴流を見ながら思いました。ごめんね昴流。そしてありがとうSNS。
顔文字も、絵文字もスタンプも。多分一々探して打つのが面倒だから使ってないんだと思う。大体昴流からのメールは飾り気がない。でもそこが良い。時々送られてくる顔文字付きのメールが可愛いのなんのって。あれで何度も理性と本能が天秤にかけられた。小悪魔。
「お兄さん1人?」
そんな小悪魔な天使に返事を打っている時に、俺の至福の一時とも言えるこの時間を邪魔してきたその声。殴り飛ばしたくなった。
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