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2日目も終わって昨日も泊まったホテルに戻る。
部屋に入ったら荷物を整理して、時間になったら風呂に入って。そっから点呼の時間まではテレビを見て過ごした。今日はちゃんと昨日寝たから起きとけれて、睡魔襲われることはなく、時間が過ぎていく。
「すーばる。今日ももう寝ちゃった?」
昨日と大体同じくらいの時間にノックを鳴らした涼が部屋に入ってきた。俺がちゃんと起きてるのを確認したら点呼そっちのけで俺の方へ。
「数年ぶりの昴流…」
「1日な」
俺を抱き締めてきた涼は相変わらず変なことを言い出して。数年ぶりって。俺何歳だよそれ。そんなに会ってなかったことなかっただろ。
まぁでも、そこにそんだけ会いたかったって意味が隠されてたんなら嬉しくなかったって言えば嘘になる。
「今日楽しかった?」
「ん」
「ふふ、そう。この大きい荷物昴流の?」
「あ、うん」
人形が大きいのもあって、大きめの袋を手に取って「何買ったのか見して」と言い、俺の許可をもらってから中身を見る涼。俺が楽しめたのが買った量で伝わったのかそれはもう微笑ましそうに1個1個を見て。
「昴流この人形は?」
「…可愛かった」
「気に入ったんだ?…そいつって何だっけ。んー…熊の人形…持ってる奴だったような…。ふふ…っ、昴流みたいで可愛い」
「くま…」
友達…みたいな感じかな。熊かぁ。直感的に1番可愛いなって思ったのがこれだったんだけどこう言うところ被るもんなんだな。あれかな、そう言うレーダーが無意識に発動したのか……涼じゃないしそれはないか。あ、別に涼を馬鹿にしてる訳じゃなくて。
「昴流帽子は?」
「ぼうし…?…これ?」
帽子。それが意味するのは恐らく向こうで買った被り物のことだろう。そう解釈してリュックにいれていたそれを取り出し、広げる。
「これもミニオンなの?…やっばぁ、可愛過ぎ…被って?」
「えっ、被んの…?」
「被って欲しいな」
生で見たいとホテルの中で被るようなものでもないそれを被ってとお強請りされる。まぁ、こん位なら。えっち撮るのの何倍もましだし、拒否する理由もないからすっぽりとそれを被った。
「俺明日も頑張れる気がしてきた」
「う、うん…?頑張れ…?」
「可愛い」
ホテルで被ったのを撮っても意味ない気がするのに、涼は携帯を取り出してカシャカシャと俺を撮る。可愛い可愛いと言う涼はどこか楽しそうだ。こんなことで元気になるんならいつまでも被っておいてあげたくなる。
「…あー、そう言やあ吉柳カメラは?」
「あっうんカメラね。はい、カメラです!!」
「これ明日のカメラな」
「はい喜んで!!」
思い出したように琉生に声を掛け、ポケットから出したカメラと琉生が今日俺を撮ってたカメラを交換する。ただ交換するだけでこの琉生の怯え様。俺の気のせいでなければ日に日に悪化している気がする。しかもキレの良い「はい喜んで」だった。
涼は交換したカメラを「見たら抑え効かなくなりそう」とか言って中身を確認することはなくズボンのポケットにしまった。修学旅行終わってから見るのかな。
「椿お前そろそろ出ていかねぇと怪しまれるぞ」
「…椿涼教師止めるってよ」
「えっ」
「昴流と1時間もいちゃつけない仕事とか働く意味ない」
「えー…」
涼が部屋に来て15分位が経ちそうになった頃、愁がそれを涼に告げると涼は何度か聞いたことあるようなフレーズを口にした。
俺の胸板に顔を埋め「ずっとここにいたい。仕事したくない」オーラを出しながら言うそれは冗談で言っているようには聞こえない。それどころか「転職先探さねぇとな」とか呟いてる。
怒れば良いのか俺を理由でそう言っていることを喜んだら良いのか。複雑な気持ちだ。
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