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兄貴が笑われたことによって『ホストみたい』なだけで普通のリーマンだと察したお母さんが慌てて謝り、誤解は解決。
兄貴を代表して第一印象はあまり当てにならないことが良くわかる。
「初めまして。琉生の母の吉柳楓です。お兄さんの方は琉生を何度か遊びに誘っていただいてるみたいで…ありがとうございます」
「こちらこそ昴流と仲良くしてくれてありがとうございます」
兄貴が、滅多に見ない"兄"らしい顔になりお母さんー楓さんって言うらしいーに挨拶する。それに続いて兄さんと父さんも。
「お兄さんにお父さん…家族勢揃いですね」
楓さんは俺らを見て、来ている人数を指摘した。そりゃあ、誰だって突っ込みたくはなるよな。明らかに多いし。
「三者面談は初めてで人数の目安が分からず…、結果このような形に…。まぁ、弟の学校での話を聞ける機会はここくらいですから目安が分かっていてもこの人数だったかもしれませんね」
「仲良しみたいで」
「そうであれば良いんですがね」
「んゃ…っ?」
そう言い、父さんが俺の頭を撫でてきた。俺のことを愛おしそうに撫でているのとは対照的にその表情には少しの不安が読み取れる。
前までギクシャクしていたせいなのか、誤解が解けた今でも俺に良く思われてるのか不安になっているところもあるらしい。
そりゃあ父さんだって人間だ。1度起きてしまったことを不安になるのもわかる。俺だって、また戻ってしまったらどうしようって、もしものことを考えると胸がずきずきする。
でもそうなったとしても兄貴や涼が間に入ってわだかまりを解いてくれそうだし、まず俺はもう父さんがずっと、今の今まで俺を好きでいてくれたこと知ってるからそのイフは喧嘩でもしない限り怒りそうにないのだけれど。
俺だって父さんが、家族が好き。俺から嫌いになることなんてこれからもないんだと思う。…だから、もしかしたら父さんの不安は『自分がまた昴流に嫌な思いをさせてしまったら』ってのもあるのかもしれない。
「親父が昴流と仲良くなくても俺がその分ハニーちゃんと仲良いから仲悪くなって構わねぇぞ?」
「寧ろあなたがそうなって欲しい」
「ひっど?!」
「ちゃんと昴流から自立してから言え。昴流の負担が増えていく」
「そんな…。昴流俺邪魔?どっか行けとか思ってる?」
「えっ…」
どっか行け、って…。そんなこと思う訳がないだろ。
家事は殆ど俺がやってる。でもそれは兄貴が仕事してるんだから仕方のないこと。時間が合えば兄貴は手伝ってくれるし、別に家事を嫌々やってるんじゃないから。
兄貴といる時間は楽しくて、だから邪魔なんかじゃない。
…まぁ、兄さんの言う通り俺が寮生活とか始めた日にはちゃんとした食生活を送ってくれるのかって自立面での心配はあるんだけども。
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