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翌日は想像がついていたけれど、あえて触れると教室に屍がひとつ。
始まる前から半泣きだったそいつは、その不安がドンピシャで親、教師のサンドでいじめられたらしい。
「椿先生本当屑…ドS…」
今回は涼の悪口ーになってないような気もするーを言うほどだから絞られ方がいつもよりきつかったのだろうか。
「そんなに酷いこと言われたのか…?」
「一生徒だけってことはないでしょ」
「…うーん…」
そう言われたら返す言葉も見つからない。
教師の時の涼は生徒全員に"平等"。それは良い意味でも悪い意味でも。
助けを求められたら手を差しのべる。受験シーズンじゃあ全科目教えれることから担当科目外での質問とか来るっぽい。そう言うのも全部涼は笑って頷く。でもそれは"仕事"だからで上手い具合に生徒との距離を取って自分から相手に踏み込んで行こうとはしない。無関心なのと涼だったら「自分から仕事増やしていこうとは思わない」…とか言いそう。
閑話休題。
だから涼は1人の生徒だけを特別に見ることはしない。まぁ多少のいじりはあるかもしれないけど、それは認めるけど。涼純度100%の生粋のSだからそれはもう仕方ない。けれど琉生だけやり過ぎたりはしないと思う。平等に扱っているって前提があるんだから。ましてやそれが親がいるところ。
生徒と教師を挟まなかったらいじり倒されてるとは言えその時の涼は"教師"。そして琉生は"生徒"。だから他の生徒と同様に扱うなら、悪いことも良いことも言ってくれてる筈だ。
…俺…は…もしかしたら贔屓目入ってたかも…だけど。
「思ってたよりはオブラートに包んでくれた」
「じゃあ何でそんな凹んでんの?」
「言う順番がおかしい」
「えっ、順番?」
言われたことじゃなくてそっち?
順番…。順番でそんなに凹み様が変わるものなのか??
「『バスケの方は凄いですね。推薦の武器になると思います』とか言ってまずあげてさぁ…そっからちょっとずつ下げていって出来れば一番最初に見せてほしかった成績を進路の話を除いた最後に見せてきてさぁ!もう急降下!!」
「あーー…そういう…」
理解した。良いもの順に言われたんだな、きっと。そんで最初に上げた分落ちる速度が速くなって、お母様に怒られた…と。
『もしそれが逆だったらもう少し緩かった筈なのに』って言う凹みも含まれてたってことな。
「一応褒められはしたんだ」
「嗚呼」
「俺すげぇ素朴な疑問なんだけどさ、ルイちゃんってそんなにバスケできてたの?推薦の武器になるってことはかなり上なの?」
「んー…、前あった全国は優勝した。多分一階の展示スペースにトロフィー置いてあんじゃね?」
「えっ」
「はっ?」
「えっ…??」
琉生の報告に2人して口があんぐり。だって、全国。全国って。…あれ、全国ってなんだっけ。そんなゆるーく言える重さだっけ。
琉生がバスケ上手いのは知ってる。体育で一緒にするし、1年の球技大会の時点でそれは良く分かってる。試合に勝ったとか、シュート一杯決めれたとか、今までに琉生から聞いたこともあった。でもまさかそれが全国大会の話とは思ってなかった。
俺てっきり県内の高校のバスケチームが集まってするレベルの小さな大会だとばかり思ってた。小学校で言うスポーツ少年団?みたいな感じ。それが急に野球で言う甲子園レベルにまで規模がでかくなってしまったら、俺らの勘違いであっても驚くしかない。
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