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「きもちー…」
「兄貴俺身動きとれない」
家に入ったらまず先に風呂に入った。風呂で転けて頭打ちでもしたら大変だから兄貴と一緒に。マンションのよりも幅にゆとりのあるジャグジー。雪路さん家よりは小さいけど、足を伸ばしても、2人で浸かっても全く狭くない。その広さにリラックスしてる兄貴は、俺を抱き枕だとでも思ってるのか抱き締めて肩に顔を埋めてしまっている。お陰で俺は兄貴の腕の中で大人しくするしかない。
「俺ん家にもジャグジー欲しい…それか雪路さんとこの檜風呂…」
「風呂場の作りがまず違うから諦めて」
「じゃぐじぃ…」
兄貴のお気に入りはジャグジーらしいが、マンションにジャグジーはリフォームの費用的な問題よりも前にスペース的に無理だな。こんな大きい浴槽置いたら体洗うスペースが狭くなっちゃうし、標準サイズの浴室にこの浴槽は不格好だ。
「……あ、温泉良いなぁ…。今度温泉巡りしよっか」
温泉かぁ。気持ち良さそう。涼と泊まることはよくあるけどたまには家族旅行でのんびりするのも良いかも? 温泉で有名なとこってどこだっけ?京都とか?春休みはもうすぐで終わりそうだから次の冬休みとかかな。……否でも冬に温泉巡りは湯冷めしそうだな。来年の春休みが頃合いかも。
「ふふ…、昴流と温泉~」
早くもその気になった兄貴は楽しそうで、鼻歌なんか歌ってる。兄貴ってお風呂好きかもしれない。前使って以来家では入浴剤ブームがまだ続いてるし、温泉巡りって20代とは思えないチョイスだし。まぁ、気持ち良いのはわからないこともないんだけどな。
「父さんと兄さん行けんの?」
「親父と彗?あー大丈夫大丈夫。行く1週間前くらいに言えば」
「それ兄貴忘れて当日に言うやつ」
「……まぁ、そんときはそんとき」
出た。兄貴の時間にルーズな性格。兄貴に任せてたら本当に当日に発表しそうで怖いから俺から予定聞いとこう。計画が固まったときにでも。
…で、温泉巡りの話は良いんだけどさ、兄貴。
「俺そろそろ逆上せそうだから出たい」
兄貴の腕をペチペチと叩いて、離してくれと訴える。風呂に入って結構な時間が経ったと思う。兄貴は平気そうだけど俺はもう限界。
脱衣場に出て、濡れた体をタオルで拭いて服を着ていく。下着は新しいのがあったらしいからそれをもらった。服は父さんの借りた。兄さんのはでかすぎたから。……丈じゃなくて肩幅が。確かに、父さんよりも兄さんは背が高いけど、これは身長の差で俺には合わないんじゃなくて肩幅の差だ。兄貴は兄さんのを着てたとか知らない、見てない俺は。
「親父のトレーナーもちょっと大きいじゃん」
「…う」
兄さんのよりもフィットした父さんの服でも手が隠れる位に袖があって、それを見た兄貴にクスクスと笑われる。五月蝿い。こっちのは筋肉の差だ。
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