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「ふぅん…まぁ、妥当かもなそれが」
放課後、理科室へ涼に会いに行くとまず最初に英語の時間に何かあったのかと尋ねられたので、愁がキレて屋上に行ったことと、そこで愁に受けた忠告を涼に話した。
涼は愁が言っていることに賛成らしく、警戒しすぎだとかそういう反論は一切なかった。
「確かにあいつ危ないかもね。"上面"はただ元気な奴、なんだけどな。裏で何してるか分かったもんじゃあない」
「愁と同じこと言ってる」
「今回ばかりはあいつに同意するよ。そもそも、理由もなくあんなナリしてこの学校に入学してきた時点で怪しいんだよ。学力がここのレベルに見合ったものだとしても」
「…うん」
それは、俺も思う。ちょっと歩けば兄貴も行ってた不良校がある。あそこの高校は決して馬鹿って訳でもない。馬鹿は確かにいるけれど、幸仁さんや吏さんみたいに公務員試験を合格できた人だっているし都市伝説ではT大に合格した奴がいるとか、医者になった奴がいるとか。つまり上から下までいる自由なとこ。見た限りじゃあ朝生田は向こうの方が合ってる。こんな、優等生ばっかの場所を何で選んだのか。どうやってもそこは不思議に思ってしまう。
「…気を付けてね昴流。自分を守るための喧嘩は良いけど危ない橋渡ったら許さないから」
「分かった」
「良い子」
愁と同じ忠告を受け、こちらの方もこくりと首を上下に揺らす。と、ふわりと笑った涼がよしよしとしてきた。
「朝生田が問題起こす前に魔咲が暴れなきゃあ良いんだがな…」
「あー…」
確かにその心配もあったな。うわー…言われてみればそうだな。気を付けるのは良いとして、朝生田に会って話し掛けられたら愁がキレるってことは今のペースで会ってたら愁が手を上げないように今は耐えているがそれも時間の問題だ。朝生田に注意するだけじゃなくて愁の方も見とかないとな。
「ま、朝生田が動き見せたら教師の特権って奴でどうにかするから」
「…それ職権濫用」
「お嫁さんのためなら手段を選ばないって言ってよ昴流」
…ものは言い様って奴な。職権濫用はすんなよ。絶対。
「…そんなの使わなくても餓鬼1人潰そうと思えば潰せるけどね」
「え、怖…」
「だから愛ある行動だってば」
後からまるで冗談のように笑ってそう言うが、ぼそりと呟かれたそれは涼の本音だったような気がしてならない。それは一体なんだ。精神的にか?物理的にか?それとも両方からか?愁が朝生田殴らないかも心配だけど、涼が大魔王様にならないかも心配だ。
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